「AIレタッチが気になるけど、ツールが多すぎてどれを選べばいいかわからない」——そんな声をよく聞くようになりました。
2026年現在、AIレタッチの代表格と言えばAftershoot・Evoto AI・Photoshop AIの3つ。それぞれ料金体系も得意分野もまったく違うため、「とりあえず有名なものを」で選ぶと後悔する可能性があります。この記事では、3ツールの機能・料金・向いている用途を実務目線で徹底比較します。
2026年のAIレタッチツール市場概況
AIレタッチツールの選択肢が広がる2026年
AIレタッチツールは2024年頃から急速に選択肢が増え、2026年には「AIを使わない」のではなく「どのAIを使うか」を選ぶ時代に突入しました。
市場は大きく3つのアプローチに分かれています。
- ワークフロー統合型(Aftershoot):カリング→編集→レタッチを1つのアプリで完結
- ポートレート特化型(Evoto AI):人物写真のレタッチに特化し、クレジット従量課金
- 汎用クリエイティブ型(Photoshop AI):生成AIを含む幅広い画像編集機能
3つとも「AIレタッチ」を謳っていますが、そんなに違うものなんですか?
まったく別物と考えたほうがいいですね。料金の仕組みから、得意な写真ジャンル、ワークフローへの組み込み方まで全然違います。順番に見ていきましょう。
Aftershootの特徴と新機能
Aftershoot — カリングから一貫したAIワークフロー
Aftershootは、写真のカリング(選別)からスタートしたAIツールで、現在はカリング→AI編集→AIレタッチの一貫ワークフローを提供しています。
カリングから編集、レタッチまで一気通貫
Aftershootの最大の強みは、撮影後の作業をワンストップで処理できる点です。
- AIカリング:数千枚の写真からベストショットを自動選別
- AI編集:自分の過去の編集スタイルを学習し、Lightroom用プリセットを自動適用
- AIレタッチ:肌補正、シミ除去、歯のホワイトニングなどを自動処理
特にウェディングやイベントなど大量の写真を処理するフォトグラファーにとって、この一貫ワークフローは大きな時間短縮になります。
注目の新機能
2026年のAftershootで注目すべき機能は以下の通りです。
- ガーメントスムージング:衣服のシワを自然に除去しつつ、テクスチャや質感はそのまま保持
- Face Shineスライダー:顔のテカリを自然なトーンで抑制(Photoshopなしでは難しかった処理)
- レタッチマスク(Correct Changes機能):メイクやタトゥー、ジュエリーなど触りたくない部分をマスクで除外
- Flyaway Hair除去:飛び散った髪の毛をAIで自動検出・除去
Aftershootはフラットレート型のサブスクリプションを採用しており、どれだけ画像を処理しても追加料金がかかりません。大量処理するフォトグラファーほどコストパフォーマンスが高くなります。
Aftershootの料金プラン(2026年2月時点)
| プラン | 月額(年払い時) | 主な機能 |
|---|---|---|
| Selects | $10/月 | AIカリングのみ(無制限) |
| Essentials | $20/月 | カリング + AI編集(無制限) |
| Pro | $40/月 | カリング + 編集 + レタッチ(無制限) |
| Max | $60/月 | Pro全機能 + カスタムAIプロファイル5つ + 2デバイス |
AIレタッチを使うにはPro以上のプランが必要で、月額$40(年払い)からとなります。30日間の無料トライアルがあるので、まずは試してみることをおすすめします。
Evoto AIの特徴と料金体系
Evoto AI — ポートレートに特化したAIレタッチ
Evoto AIは、ポートレートレタッチに特化したAIツールです。人物の肌、目、髪、体型など細かいパーツごとにAI補正をかけられるのが特徴で、スタジオポートレートやヘッドショット撮影との相性が抜群です。
Evoto AIの主な機能
- スキンレタッチ:シワ除去、ニキビ・シミ除去、肌のスムージング
- 赤目除去・アイエンハンス:目の充血除去、瞳のハイライト調整
- ヘアライン調整:生え際の補正、Flyaway Hair除去
- ボディシェイピング:体型の微調整(スリミングなど)
- 背景処理:背景のぼかし、差し替え
- バッチ処理:同じ設定を複数画像に一括適用
Evoto AIの「クレジット制」ってどういう仕組みですか?使うほど高くなるということ?
Evoto AIは編集中は無料で、エクスポート時に1画像あたり1クレジットが消費される仕組みです。つまり「試し放題、書き出しは有料」というモデルですね。
Evoto AIの料金プラン(2026年2月時点)
| プラン | 年額 | クレジット数 | 1枚あたりコスト |
|---|---|---|---|
| Starter | $80/年 | 800クレジット | 約$0.10 |
| Basic Plus | $242/年 | 3,600クレジット | 約$0.07 |
| Standard | $521/年 | 9,000クレジット | 約$0.06 |
| Standard Plus | $1,205/年 | 24,000クレジット | 約$0.05 |
このほか、Pay-As-You-Go(都度購入)プランもあり、1クレジットあたり$0.14〜で購入可能です。購入したクレジットの有効期限は2年間で、年間サブスクリプションの場合は未使用クレジットの繰り越しも可能(プラン年間付与量の5倍が上限)です。
クレジット制は処理枚数が少ないうちは安く感じますが、大量処理するフォトグラファーにとってはコストが膨らみがちです。月間の処理枚数を事前に見積もってからプランを選びましょう。
Photoshop AIの特徴(生成AI機能)
Photoshop AI — 汎用性と生成AIの進化
Adobe Photoshopは言わずと知れた画像編集の定番ですが、2026年現在はAI機能が大幅に強化されています。生成塗りつぶし(Generative Fill)や生成拡張(Generative Expand)などのAdobe Firefly搭載機能に加え、サードパーティのAIモデル(Gemini、FLUX.2 proなど)も選べるようになりました。
Photoshop AIの主な機能
- 生成塗りつぶし(Generative Fill):選択範囲にテキストプロンプトでオブジェクトを生成・除去
- 生成拡張(Generative Expand):画像の外側をAIで自然に拡張
- ニューラルフィルター:肌のスムージング、スタイル転送、モノクロ写真のカラー化、表情変更
- AIアップスケール・シャープン・ノイズ除去:2026年の新フィルターとして追加
- 削除ツール:不要なオブジェクトをAIで自然に除去
生成クレジットの仕組み
Photoshop AIの生成機能はクレジットベースで動作します。基本的な生成塗りつぶしは1回あたり1クレジットを消費しますが、スタンダード機能(基本的な生成塗りつぶし)はクレジット消費なしで使える場合もあります。
Photoshop AIのクレジットが足りなくなったらどうなるんですか?
クレジットが尽きてもPhotoshop自体は使えます。生成AI機能だけが制限されるイメージですね。追加クレジットの購入も可能です。
Photoshop AIの料金プラン(2026年2月時点)
| プラン | 月額 | 生成クレジット |
|---|---|---|
| フォトグラフィプラン(1TB) | $19.99 | 25/月(新規加入者) |
| Photoshop単体プラン | $22.99 | 500/月 |
2025年6月17日以降の新規加入者は、フォトグラフィプランの月間生成クレジットが100→25に削減されています。生成AI機能を多用する場合は、Photoshop単体プランまたはクレジットの追加購入を検討してください。
3ツール比較表
ここまでの内容を一覧で整理します。
| 比較項目 | Aftershoot | Evoto AI | Photoshop AI |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | カリング→編集→レタッチの一貫処理 | ポートレート特化レタッチ | 汎用画像編集 + 生成AI |
| 料金体系 | 定額制($40/月〜) | クレジット制($80/年〜) | サブスク($19.99/月〜) |
| 1枚あたりコスト | 処理枚数に関わらず定額 | 約$0.05〜0.14 | 定額(生成AIはクレジット消費) |
| バッチ処理 | 対応(無制限) | 対応 | 一部対応(アクション等) |
| 肌レタッチ | スムージング、シミ除去、歯ホワイトニング | スムージング、シワ除去、赤目除去、ボディ補正 | ニューラルフィルター(スムージング) |
| 生成AI | なし | なし | 生成塗りつぶし、生成拡張 |
| 背景処理 | 限定的 | ぼかし、差し替え | 生成塗りつぶしで高度な処理が可能 |
| 学習機能 | 自分の編集スタイルを学習 | プリセット保存 | アクション・プリセット |
| 対応OS | Windows / macOS | Windows / macOS | Windows / macOS / iPad |
| Lightroom連携 | ネイティブ連携 | 独立アプリ | Adobe連携(シームレス) |
| 無料体験 | 30日間 | 無料クレジット付与 | 7日間 |
用途別おすすめ
撮影ジャンルによって最適なツールは変わる
ウェディング・イベント撮影
おすすめ:Aftershoot
ウェディングやイベントは1回の撮影で数千枚を処理するため、定額で無制限に使えるAftershootのコストメリットが最大化します。カリングから編集、レタッチまで一貫して処理できるワークフローも、納品までのスピードを大幅に短縮してくれます。
スタジオポートレート・ヘッドショット
おすすめ:Evoto AI
ポートレート撮影では、肌質・目元・髪・体型など細かいパーツ単位の調整が求められます。Evoto AIはまさにこの領域に特化しており、パーツごとの細かいスライダー操作で仕上がりをコントロールできます。1回の撮影枚数が比較的少ないスタジオ撮影なら、クレジット制でも十分コストを抑えられるでしょう。
商品撮影・ECサイト
おすすめ:Photoshop AI
商品撮影では背景の差し替えや不要な要素の除去など、生成AI機能が特に威力を発揮します。「白背景にする」「使用シーンを生成する」といった処理はPhotoshop AIの生成塗りつぶしが最も得意とするところです。
風景・建築写真
おすすめ:Photoshop AI
風景や建築写真では人物のレタッチ需要は少ない代わりに、電線の除去・空の差し替え・画角の拡張など、生成AIの恩恵が大きい編集が多くなります。ニューラルフィルターのHDR効果やノイズ除去も活用できます。
AIツールとプロのレタッチ外注、どう使い分ける?
AIツールと専門家の使い分けが重要
AIレタッチツールは急速に進化していますが、すべての仕事をAIだけで完結させるのはまだ難しいのが現実です。
AIツールがあるなら、もう外注は不要では?
たしかにAIで80%の作業は効率化できます。でも残りの20%——クライアントの細かい要望への対応、ブランドイメージに合わせた色調整、肌の自然さを保った高度な修正——ここはまだ人間の判断が必要なんです。
AIツールが得意な領域
- 大量の写真を一括で「及第点」まで引き上げる処理
- 定型的なレタッチ(肌のスムージング、シミ除去、歯のホワイトニング)
- 背景の除去や差し替え(生成AI)
プロの外注が必要な領域
- 広告・雑誌クオリティの仕上げ(ハイエンドレタッチ)
- クライアントの細かい修正指示への対応
- ブランドトーンの統一(カラーマネジメント)
- 合成やコンポジットなど複雑な作業
効率的なワークフローは「AIで下処理 → プロに仕上げを依頼」の組み合わせです。AIツールで8割の作業を済ませてからRetouch Inkのような専門レタッチ会社に仕上げを依頼すれば、コストを抑えつつクオリティも担保できます。
特にレタッチ外注を検討している方は、「全工程を外注する」のではなく「AIと外注のハイブリッド」で最適なバランスを見つけるのがおすすめです。
まとめ
2026年のAIレタッチツール市場は、それぞれ明確な強みを持つ3つの選択肢が揃いました。
- Aftershoot:カリング→編集→レタッチの一貫ワークフロー、定額無制限でウェディング・イベント向き
- Evoto AI:ポートレート特化の細かいパーツ補正、クレジット制でスタジオ撮影向き
- Photoshop AI:生成塗りつぶし・生成拡張で汎用性最強、商品・風景・合成に向き
まずは各ツールの無料体験を活用して、自分のワークフローに合うかどうかを試してみてください。そして、AIだけでは対応しきれないハイエンドな仕上げが必要な場合は、Retouch Inkのようなプロのレタッチ会社に相談するのも賢い選択です。
よくある質問(記事のおさらい)
料金体系と得意分野が異なります。Aftershootは定額無制限で大量処理向き、Evoto AIはクレジット制でポートレート特化、Photoshop AIは生成AI搭載で汎用的な画像編集に強いです。
処理枚数によります。月間数百枚以上ならAftershoot($40/月で無制限)、月間数十枚程度ならEvoto AI(Starterプラン$80/年=800クレジット)がコストパフォーマンスに優れます。
Aftershootがおすすめです。カリングから編集・レタッチまで一貫処理でき、定額制なので数千枚の大量処理でもコストが変わりません。
定型的な補正は十分なクオリティですが、広告・雑誌クオリティのハイエンドレタッチにはまだ人の手が必要です。AIで下処理し、Retouch Inkのような専門会社に仕上げを依頼するハイブリッド運用が効率的です。
はい。Aftershootは30日間の無料トライアル、Evoto AIは無料クレジット付与、Photoshop AIは7日間の無料体験が利用可能です。