ポートレート撮影後のレタッチ作業、どれくらい時間をかけていますか?
肌補正、目の輝き調整、歯のホワイトニング、輪郭補正——1枚あたり15〜30分は当たり前。撮影枚数が多いウェディングやスタジオ撮影では、レタッチだけで数日かかることも珍しくありません。
Luminar Neoで知られるSkylumが開発したAperty(アパティ)は、AIによるポートレート専用レタッチソフトとして2024年11月にリリースされました。オーストラリアの人気ポートレートフォトグラファーJulia Trotti(YouTube登録者65万人超)との共同開発で、「プロが求める自然な仕上がり」を追求しています。
実際の使い勝手はどうなのか。Retouch Inkのレタッチャーが本音でレビューします。
Apertyとは
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | Skylum(Luminar Neoと同じ) |
| リリース | 2024年11月 |
| 対応OS | Windows / macOS |
| プラグイン | Lightroom Classic / Photoshop |
| 処理方式 | ローカル処理(クラウド不要) |
| 最新バージョン | 1.3.0(2025年) |
Luminar Neoのポートレート機能とは何が違うんですか?
Luminar Neoが「オールインワンの写真編集ソフト」なのに対し、Apertyはポートレートレタッチに完全特化しています。最大の違いは、顔に最大4,000のキーポイントを検出する3Dフェイスメッシュ技術を採用している点。Luminar Neoよりも精密な顔認識と自然な補正が可能です。
主要機能
スキンレタッチ
Apertyの核となる機能です。
- 肌の滑らかさ調整:スライダーひとつで強度をコントロール。肌のテクスチャを残しながら毛穴・シミを自然に軽減
- シワ除去:v1.3.0で追加。細かいシワを自然に目立たなくする
- ニキビ・傷跡除去:AIが自動検出して除去。手動のスポット修正も可能
- 肌色補正:不自然な赤みや色ムラを均一に
スキンレタッチの品質は、Photoshopの周波数分離と比較すると「80点」レベルです。商用ハイエンドレタッチには及びませんが、ウェディング・イベント系の大量処理には十分な品質。何より作業時間が1枚あたり1〜2分になるのが最大のメリットです。
アイエンハンスメント
- 虹彩の色調整:瞳の色を自然に変更・強調
- 白目のホワイトニング:充血や黄ばみを除去
- 明るさ調整:目のハイライトを追加してキャッチライトを強調
- 眼球の色補正:照明による色かぶりを修正
リシェイプ(輪郭補正)
3Dフェイスメッシュ技術により、顔の各パーツを個別に調整できます。
- 顔の輪郭(小顔補正)
- 鼻の形状
- 唇の厚さ・形
- 顎のライン
リシェイプって、不自然になりがちじゃないですか?
他のツールに比べてかなり自然です。4,000キーポイントの3Dメッシュが効いていて、歪みが出にくい。ただし、強くかけすぎると首との境界が不自然になるので、スライダーは30〜40%程度に留めるのがコツです。
メイクアップツール
- チーク(頬紅)
- コントゥア(輪郭メイク)
- アイメイク
- リップカラー
バッチ処理
Apertyの最大の強みはバッチ処理です。
設定をひとつ作れば、複数の写真に一括適用可能。ウェディングで200枚撮影した場合、1枚ずつレタッチする代わりに、プリセットを適用して一括処理——数時間の作業が数分に短縮されます。
料金プラン
| プラン | 価格 | 備考 |
|---|---|---|
| 月額 | $30/月(通常$44/月) | 初月のみ割引価格 |
| 年額 | $174/年(通常$194/年) | 初年のみ割引価格 |
| 買い切り | $174 | 永続ライセンス |
買い切りと年額が同じ$174って、買い切り一択では?
その通りです。現時点では買い切り($174)が最もお得。永続ライセンスでソフトウェアアップデートも含まれます。ただし、将来のメジャーアップデート(v2.0など)が含まれるかは明記されていないので、その点だけ注意してください。
全プランに14日間の返金保証と7日間の無料トライアルが付いています。
Lightroom Classic用プラグインとPhotoshop用プラグインは、どのプランを選んでも追加料金なしで利用できます。既存のワークフローに組み込みやすい設計です。
競合比較
主要ポートレートレタッチソフトとの比較
| Aperty | PortraitPro | Luminar Neo | |
|---|---|---|---|
| 価格 | $174(買い切り) | $44.95〜$89.95 | $119/年 |
| ポートレート特化 | ◎ | ◎ | △(汎用) |
| バッチ処理 | ◎ | ○(Studio版のみ) | △ |
| 3Dフェイスメッシュ | ◎(4,000点) | ○ | × |
| LRプラグイン | ◎ | ◎ | ◎ |
| PSプラグイン | ◎ | ◎ | ◎ |
| ローカル処理 | ◎ | ◎ | ◎ |
| 日本語対応 | ◎ | ◎ | ◎ |
- 3Dフェイスメッシュで自然な仕上がり
- バッチ処理が強力(大量処理向き)
- Lightroom/Photoshopプラグイン対応
- ローカル処理でプライバシー安心
- 買い切りプランが良心的
- UIが直感的(スライダー操作のみ)
- Photoshopの手動レタッチほどの精度は出ない
- 体のレタッチ(ボディスキン)は機能が限定的
- v1.xのため機能追加は発展途上
- 風景・物撮りには使えない(ポートレート専用)
- メジャーアップデートの無償提供が不明確
こんな人におすすめ
向いている人
- ウェディング・イベントフォトグラファー:大量のポートレートを効率よく処理したい
- スタジオフォトグラファー:一定の品質で高速にレタッチしたい
- Lightroom中心のワークフロー:プラグインで既存の流れを崩さず導入したい
- レタッチ初心者:スライダーだけで本格的な仕上がりを実現したい
向いていない人
- ハイエンド商用レタッチャー:雑誌・広告レベルの精度はPhotoshopの手動処理が必要
- 風景・物撮りメイン:ポートレート以外には使えない
- すでに効率的なワークフローがある:Photoshopアクション + AIレタッチツールで十分な場合
実際の使い方
RAW現像が終わった写真を選び、右クリック→「他のツールで編集」→「Aperty」を選択。TIFFまたはPSD形式で書き出されます。
Aperty上部のプリセットパネルから、目的に合ったプリセットを選択。「Natural」「Soft Skin」「Glamour」など複数用意されています。
プリセット適用後、各パラメータをスライダーで調整。肌の滑らかさ、目の明るさ、リシェイプなどを好みに合わせます。
同じ設定を他の写真にも適用する場合、バッチ処理モードで写真を追加し、一括適用します。
「適用」をクリックすると、編集結果がLightroomに反映されます。元のRAWデータは保持されたまま、レタッチ済みファイルが追加されます。
まとめ
- ApertyはSkylum発のAIポートレート専用レタッチソフト。3Dフェイスメッシュ技術で自然な仕上がり
- バッチ処理が最大の強み。大量のポートレートを一括処理できる
- 買い切り$174が最もお得。Lightroom/Photoshopプラグイン込み
- ハイエンドの精度はPhotoshopに劣るが、速度と効率では圧倒的
- ウェディング・イベント・スタジオ撮影で大量処理する方に特におすすめ
- 7日間の無料トライアルで実際に試してから購入判断できる
ポートレートレタッチの大量処理に悩んでいるなら、まずは無料トライアルで試す価値は十分にあります。
※本記事はレタッチの教科書 by Retouch Ink が独自にレビューしたものです。
よくある質問
Luminar Neoが風景・人物・物撮りに対応するオールインワンソフトなのに対し、Apertyはポートレートレタッチに完全特化しています。4,000キーポイントの3Dフェイスメッシュ技術により、Luminar Neoよりも精密な顔認識と自然な補正が可能です。
現時点では買い切り($174)が最もお得です。年額プランも$174/年ですが、買い切りなら一度の支払いで永続的に使えます。ただし、将来のメジャーアップデートの扱いは確認が必要です。
品質面では、Photoshopの周波数分離やダッジ&バーンによる手動レタッチには及びません。しかし速度面では圧倒的に速く、1枚あたり1〜2分で処理できます。ウェディングやイベントなど大量処理が必要なシーンではApertyが有利です。
はい、日本語UIに対応しています。v1.3.0のアップデートでは中国語と韓国語も追加され、アジア言語のサポートが強化されています。