長時間のレタッチ作業では、マウス選びが作業効率と体の負担に大きく影響します。細かいブラシワークには精度の高いセンサーが必要ですし、何時間も使い続けるなら手首への負担も考慮しなければなりません。
マウス選びのポイント
レタッチ用のマウスって、ゲーミングマウスとか普通のマウスと何が違うんですか?
大きな違いは「精度」と「疲れにくさ」です。レタッチでは細かいブラシ操作が必要なので、高精度なセンサーと長時間使っても疲れにくい形状が重要になります。
1. センサー精度(DPI)
| DPI | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| 1000〜2000 | 一般的な操作に十分 | 事務作業、Web閲覧 |
| 4000〜8000 | 細かい操作に対応 | 写真編集、デザイン |
| 8000以上 | 超高精度 | ゲーミング、プロ向け編集 |
レタッチ作業には4000DPI以上あれば十分です。
2. エルゴノミクス(人間工学)
長時間作業では手首や腕への負担が蓄積します。
- 傾斜角度:20度程度の傾きがあると手首が自然な角度に
- サイズ:手のサイズに合ったものを選ぶ
- 重量:軽すぎず重すぎないもの(100〜150g程度)
3. 接続方式
| 接続方式 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 有線 | 遅延なし、充電不要 | ケーブルが邪魔 |
| 2.4GHz無線 | 低遅延、安定接続 | レシーバーが必要 |
| Bluetooth | 複数デバイス対応 | わずかに遅延あり |
4. カスタマイズ可能なボタン
Photoshopでは「取り消し(Ctrl+Z)」「ブラシサイズ変更」などを頻繁に使います。これらをマウスのボタンに割り当てられると作業効率がアップします。
マウスの種類
トラックボールとかペンタブとか色々ありますが、どれがいいんですか?
それぞれメリットがあるので、作業内容と好みで選んでください。私は通常マウスとペンタブを使い分けています。
通常マウス
最も一般的な選択肢。直感的に操作でき、導入しやすい。
トラックボール
マウス本体を動かさず、ボールを回して操作。手首の動きが少なく、狭いスペースでも使える。
ペンタブレット
ペンで操作するため、ブラシワークが直感的。本格的なレタッチには最適。
おすすめマウス10選
通常マウス
1. ロジクール MX Master 3S
価格:約13,000〜18,000円
| 項目 | スペック |
|---|---|
| センサー | 8000DPI |
| 接続 | Bluetooth / 2.4GHz無線 |
| ボタン数 | 7ボタン |
| 重量 | 141g |
クリエイター御用達の定番マウス。MagSpeed電磁気スクロールで1秒に1000行のスクロールが可能。ガラス面でも動作する高精度センサー搭載。
2. ロジクール MX Anywhere 3S
価格:約12,000〜14,000円
MX Master 3Sのコンパクト版。持ち運びに最適なサイズながら、上位機能を継承。
3. Microsoft Surface Precision Mouse
価格:約17,000〜18,000円
3台同時接続に対応。Windowsとの親和性が高い。
4. SteelSeries Rival 3 Gen 2
価格:約5,800円
ゲーミングマウスだが、高精度センサーと軽量設計は写真編集にも最適。コスパ重視の方に。
トラックボール
トラックボールって使いにくそう…
正直、好き嫌いが分かれます。慣れるまで最低3ヶ月はかかりますね。でも一度慣れると、普通のマウスには戻れないという人も多いです。手首を動かさないので腱鞘炎予防にもなりますよ。
5. ロジクール MX ERGO S
価格:約15,000〜17,000円
エルゴノミスト認定のトラックボール。20度の傾斜角度で前腕の筋肉疲労を27%軽減。
6. Kensington Expert Mouse Wireless Trackball
価格:約10,600円
大型ボールで精密な操作が可能。左右どちらの手でも使える。
7. エレコム HUGE PLUS
価格:約17,000〜20,000円
2025年11月発売の最新モデル。10ボタン搭載、3台マルチペアリング対応。
ペンタブレット
8. Wacom Intuos Pro Medium
価格:約40,000〜50,000円
プロ御用達の板タブレット。筆圧8192レベル対応。
9. Wacom Cintiq 16 FHD
価格:約80,000〜105,000円
画面に直接描ける液晶タブレット。紙に描く感覚でレタッチが可能。
10. Wacom Movinkpad 11
価格:約69,000円
2025年発売の持ち運び特化モデル。420gの軽量設計。
用途別おすすめまとめ
| 用途 | おすすめモデル | 価格帯 |
|---|---|---|
| バランス重視 | ロジクール MX Master 3S | 1.3〜1.8万円 |
| 持ち運び重視 | ロジクール MX Anywhere 3S | 1.2〜1.4万円 |
| コスパ重視 | SteelSeries Rival 3 Gen 2 | 約6,000円 |
| 手首の負担軽減 | ロジクール MX ERGO S | 1.5〜1.7万円 |
| 本格的なレタッチ | Wacom Intuos Pro / Cintiq 16 | 4〜10万円 |
まとめ
マウス選びで迷ったら、まずは「作業時間」を考えてみてください。1日数時間以上レタッチするなら、エルゴノミクス重視のモデルを選ぶと、長く快適に作業できます。
- 一般的なレタッチ:MX Master 3Sなどの高機能マウス
- 長時間作業:トラックボール(MX ERGO S / HUGE PLUS)
- 本格的なブラシワーク:ペンタブレット
予算と作業スタイルに合わせて、最適な1台を選んでください。