レタッチ外注とは、写真の色補正・修正・加工作業を専門業者やフリーランスに依頼することです。ECサイトの商品写真、広告用の画像、SNS用の写真…画像が増えれば増えるほど、レタッチのコストは膨らんでいきます。
「レタッチの外注費用、もう少し安くならないかな…」
コストを抑えたいのは当然のことです。でも、安さだけで選ぶと、後で痛い目を見ることがあります。
この記事では、レタッチを安く外注する具体的な方法と、格安サービスに潜むリスクを正直に解説します。
レタッチを安く外注する5つの方法
まずは、外注コストを抑える具体的な方法を紹介します。
1. クラウドソーシングを活用する
最も手軽にコストを抑える方法が、クラウドソーシングの活用です。
| サービス | 相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| ココナラ | 500円〜 | スキル売買型、出品者8,000人以上 |
| クラウドワークス | 500円〜 | 案件数最大、発注手数料無料 |
| ランサーズ | 500円〜 | 認定制度あり |
Retouch Inkのような専門のレタッチ会社に依頼すると1枚1,000〜3,000円かかるところ、クラウドソーシングなら500円程度から依頼できることもあります。
ただし、安い理由があることは理解しておきましょう。実績を積みたい初心者が低価格で請け負っていることも多いです。
2. 海外のサービスを利用する
さらにコストを抑えたいなら、海外のレタッチサービスという選択肢があります。
| サービス | 相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| Fiverr | $5〜(約750円〜) | 世界各国のフリーランス |
| FixThePhoto | $0.25〜(色補正)、$2.50〜(基本レタッチ) | インド拠点 |
| ePhotoVN | $0.5〜$8 | ベトナム拠点、24時間納品 |
人件費の安い国に拠点を置くサービスを使えば、1枚あたり100円以下で依頼できることもあります。
ただし、後述するように品質やコミュニケーションの問題があるので、万人におすすめできる方法ではありません。
3. 大量発注で単価交渉する
レタッチの単価は、発注枚数が増えるほど安くなる傾向があります。
| 発注枚数 | 単価の目安 |
|---|---|
| 1〜10枚 | 定価 |
| 11〜50枚 | 5〜10%オフ |
| 51〜100枚 | 10〜20%オフ |
| 100枚以上 | 要相談(さらに割引) |
毎月コンスタントに依頼がある場合は、まとめて発注することで単価を下げられます。Retouch Inkのような専門会社に相談してみましょう。
4. 継続依頼で割引を得る
単発の依頼よりも、継続的に依頼する方が単価は安くなります。
理由は簡単です。レタッチ会社側も、毎回新規のクライアントを開拓するよりも、安定したリピーターがいた方がありがたいからです。
「毎月○枚以上依頼するので、単価を下げてもらえませんか?」と交渉すれば、応じてもらえることが多いです。
5. 作業内容を絞る
料金相場は、作業内容によって大きく変わります。
| 作業内容 | 料金目安 |
|---|---|
| 明るさ・色調補正 | 300〜500円 |
| 不要物消去(簡単) | 500〜1,000円 |
| 切り抜き | 500〜2,000円 |
| 人物フルレタッチ | 3,000〜10,000円 |
| 合成・複雑な加工 | 5,000円〜 |
「フルレタッチは不要。明るさ補正と簡単な不要物消去だけでいい」と作業範囲を限定すれば、コストを抑えられます。
依頼前に「本当に必要な作業は何か」を整理しましょう。過剰な品質を求めると、コストがかさみます。
格安サービスに潜む落とし穴
ここからが本題です。「安さ」には必ず理由があります。
安いに越したことはないですよね?何か問題があるんですか?
正直に言うと、格安サービスにはリスクがあります。「安物買いの銭失い」になることも少なくないですよ。
落とし穴1: 品質が安定しない
格安サービスの最大の問題は、品質のバラつきです。
- 1回目は良かったのに、2回目はイマイチ
- 同じ依頼なのに、担当者によってクオリティが違う
- 細部の仕上げが雑
特に海外サービスでは、複数のレタッチャーが分担して作業することが多く、仕上がりに統一感がないことがあります。
「安いから試しに頼んでみたら、使い物にならないクオリティだった」というケースは非常に多いです。結局、別の会社に依頼し直すことになり、時間もコストも無駄になります。
落とし穴2: 修正対応が遅い・できない
格安サービスでは、修正対応が限定的なことが多いです。
- 修正は1回まで
- 修正は有料
- 修正依頼しても返信が遅い
「安いから仕方ない」と言えばそれまでですが、ビジネスで使う画像で妥協できるでしょうか。
落とし穴3: コミュニケーションが困難
海外サービスを使う場合、言語の壁が立ちはだかります。
「もう少し自然に」「肌を綺麗に」「違和感なく」
こうした日本語特有のニュアンスは、英語では伝わりにくいです。参考画像を用意しても、意図と違う仕上がりになることがあります。
せっかく安く済んでも、何度もやり直しになったら意味ないですよね…
その通りです。修正のやり取りに時間がかかって、結局コストが膨らむパターンは多いです。
落とし穴4: 納期遅延のリスク
格安サービスでは、納期が守られないリスクも高まります。
- 時差の問題(海外サービス)
- 担当者のキャパオーバー
- 連絡が取れなくなる
特に海外サービスでは、日本の祝日を把握していなかったり、急ぎの対応ができなかったりすることがあります。
Fiverrなどのフリーランスは、納期4〜13日が平均というデータもあります。急ぎの案件には向いていません。
落とし穴5: 機密管理が不安
レタッチを依頼する画像には、機密情報が含まれていることがあります。
- 未発表の新商品
- 著名人の写真
- 企業の内部資料
格安サービスでは、NDA(秘密保持契約)を結ばずに作業が進むことも多いです。
海外サービスの場合、万が一情報が漏洩しても、法的な対応が難しいという問題もあります。
機密性の高い画像を格安サービスに依頼するのは、非常にリスクが高いです。情報漏洩のリスクを考えると、多少コストがかかってもRetouch Inkのような信頼できる会社に依頼すべきです。
落とし穴6: 隠れコストが発生する
一見安く見えても、隠れたコストがかかることがあります。
- 修正が有料
- 納期短縮が別料金
- ファイル形式の変更が有料
- やり取りに時間がかかる(人件費)
- 品質チェックの手間
「1枚500円で依頼したけど、修正や確認に時間がかかって、結局1枚1,500円相当のコストがかかった」ということは珍しくありません。
安さと品質のバランスをどう取るか
じゃあ結局、どうすればいいんでしょうか?
「安さ」と「品質」のどちらを優先するかを、まず決めることですね。
安さを優先していいケース
- SNS投稿用など、一時的に使う画像
- 社内資料など、外部に出ない画像
- 納期に余裕がある
- 品質に多少の妥協ができる
品質を優先すべきケース
- 広告・販促用の画像
- ECサイトの商品写真
- 企業のブランドイメージに関わる画像
- 機密性の高い画像
継続的にレタッチを依頼するなら、最初からRetouch Inkのような専門のレタッチ会社に相談することをおすすめします。大量発注や継続依頼で単価交渉すれば、品質を保ちながらコストを抑えることも可能です。
まとめ
レタッチを安く外注する方法はあります。
- クラウドソーシングを活用
- 海外サービスを利用
- 大量発注で単価交渉
- 継続依頼で割引を得る
- 作業内容を絞る
- 品質が安定しない
- 修正対応が遅い・できない
- コミュニケーションが困難
- 納期遅延のリスク
- 機密管理が不安
- 隠れコストが発生する
「安いから」という理由だけで選ぶと、品質や納期で問題が起き、結局コストがかさむことがあります。
価格だけでなく、品質・対応・信頼性を総合的に判断して、自分に合った外注先を選びましょう。
よくある質問(記事のおさらい)
クラウドソーシング(ココナラ、クラウドワークス)を使えば1枚500円〜、海外サービス(Fiverr、FixThePhoto)なら1枚100円以下から依頼できます。また、大量発注や継続依頼で単価交渉すると10〜20%オフになることもあります。
品質の不安定さ、修正対応の制限、コミュニケーション困難、納期遅延、機密管理の不安が主なリスクです。修正や再依頼で結局コストがかさむ「安物買いの銭失い」になることも多いです。
SNS投稿や社内資料など一時的に使う画像は安さ優先でOK。広告・EC商品写真・機密性の高い画像は品質優先で、Retouch Inkのような専門会社に依頼するのがおすすめです。
明るさ補正は300〜500円、不要物消去は500〜1,000円、切り抜きは500〜2,000円、人物フルレタッチは3,000〜10,000円が相場です。作業内容を絞ればコストを抑えられます。
コスト重視なら選択肢になりますが、言語の壁によるコミュニケーション困難、納期遅延(平均4〜13日)、NDAなしで機密管理が不安というデメリットがあります。機密性の高い画像にはおすすめしません。