レタッチを外注する方法として、大きく分けて2つの選択肢があります。
1つはクラウドソーシング(Lancers、CrowdWorks、ココナラなど)で個人に依頼する方法。もう1つはレタッチ専門会社に依頼する方法です。
「安いからクラウドソーシングでいい」と思っていませんか?
この記事では、それぞれの特徴と、あなたの案件に合った選び方を解説します。
クラウドソーシングとは
主なサービス
日本で使われている主なクラウドソーシングサービス:
| サービス名 | 特徴 |
|---|---|
| Lancers | 実績・評価システムが充実 |
| CrowdWorks | 登録者数が多い |
| ココナラ | スキルマーケット形式 |
海外ではFiverrやUpworkも人気ですが、日本語でのやりとりを考えると国内サービスが現実的です。
仕組み
クラウドソーシングでは、プラットフォーム上でフリーランスと直接やりとりして仕事を依頼します。
- 募集を出して応募を待つ
- または、出品者を探して直接依頼
プラットフォームが間に入るため、支払いトラブルは比較的起きにくい仕組みになっています。
クラウドソーシングのメリット
料金が安い
クラウドソーシングの最大の魅力は価格です。
| 依頼先 | 人物レタッチ相場(1枚) |
|---|---|
| クラウドソーシング | 300〜3,000円 |
| 専門会社 | 3,000〜8,000円 |
専門会社に比べて半額以下で依頼できることも珍しくありません。
選択肢が多い
登録しているレタッチャーが多いため、好みのスタイルや予算に合った人を探せます。
- ポートフォリオを見て選べる
- 評価・レビューを参考にできる
- 複数の人に見積もりを取れる
いろんな人から選べるのは便利ですね!
ただ、選択肢が多いからこそ「見極める目」が必要になります。ここが難しいところなんです。
小規模案件でも依頼しやすい
専門会社は「最低〇枚から」という縛りがあることがありますが、クラウドソーシングなら1枚からでも依頼できます。
- テスト的に数枚だけ依頼
- 単発の小さな案件
- 予算が限られている場合
クラウドソーシングのデメリット
品質のバラつきが大きい
これがクラウドソーシング最大の問題です。
登録しているのはプロから趣味レベルまで様々。評価やポートフォリオだけでは実力を見極めるのが難しいです。
ポートフォリオは綺麗だったのに、実際に依頼したら全然違うクオリティだった。理由を聞くと「あれは加工しすぎた例なので、通常はこのレベルです」と言われた。
商用クオリティに達していない人も多い
趣味でレタッチを始めた人、副業として始めたばかりの人も多く登録しています。
- 基本的な色補正ができていない
- 肌の処理がプラスチックのように不自然
- 印刷用の解像度・色域を理解していない
見極めるのが難しそうですね…
正直、依頼する側にもある程度の「見る目」が必要です。レタッチの良し悪しがわからないと、品質の低い納品物を受け取ってしまうこともあります。
コミュニケーションコスト
プラットフォーム上でのやりとりは手軽ですが、細かいニュアンスを伝えるのに時間がかかることも。
- 指示の意図が伝わらない
- 修正のやりとりが増える
- 結果として時間がかかる
専門会社のメリット
品質が安定している
レタッチを専門にしている会社は、一定のクオリティ基準を持っています。
- 商用利用を前提とした品質管理
- 色管理(カラーマネジメント)の知識
- 印刷・Web両方に対応できる技術
大量案件に対応できる
複数のレタッチャーを抱えているため、大量の画像でも対応可能です。
| 依頼先 | 月間対応可能枚数(目安) |
|---|---|
| クラウドソーシング個人 | 50〜150枚 |
| 専門会社 | 500〜数千枚 |
納期管理がしっかりしている
組織として動いているため、納期を守る体制が整っています。
- スケジュール管理が徹底されている
- 担当者が休んでも代わりがいる
- 急ぎの案件にも組織で対応
NDAなど契約関係が明確
芸能・広告など機密性の高い案件では、契約関係が明確な専門会社の方が安心です。
芸能人の写真、発売前の商品画像、企業の機密情報を含む案件では、NDA(秘密保持契約)を締結できる専門会社を選ぶべきです。
専門会社のデメリット
料金が高い
クラウドソーシングに比べると、1枚あたりの単価は高くなります。
ただし、「安物買いの銭失い」になるよりは、最初からちゃんとした会社に頼んだ方がトータルコストは安くなることも多いです。
最低発注枚数がある場合も
「10枚以上から」「月50枚以上から」など、最低発注枚数を設けている会社もあります。少量の依頼には向かないことがあります。
仕上がりがバラつくリスク
複数のレタッチャーで分担する場合、仕上がりにバラつきが出ることがあります。
これは専門会社でも起こりうる問題で、クオリティ管理が甘い会社では、クラウドソーシングと同じ問題が発生します。
どっちを選ぶべき?
クラウドソーシングが向いているケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 予算が限られている | 単価が安い |
| 少量(月30枚以下) | 小規模対応可 |
| SNS・ブログ用 | 高品質でなくてもOK |
| 試しに外注してみたい | リスクが低い |
専門会社が向いているケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 大量(月100枚以上) | 処理能力がある |
| 芸能・広告案件 | 品質・機密性が重要 |
| 印刷物に使う | 色管理が必要 |
| 納期厳守が絶対 | 組織的対応 |
でも、専門会社ってどうやって探せばいいんですか?
「レタッチ会社 おすすめ」で検索すると比較記事がたくさん出てきます。ただ、会社によって得意分野が違うので、自分の案件に合った会社を選ぶことが大切です。
選ぶときのチェックポイント
クラウドソーシングで依頼する場合
- ポートフォリオを複数確認:1つだけでなく複数の作品を見る
- レビューを読む:「修正対応」「コミュニケーション」の評価を特に確認
- テスト発注:本依頼の前に数枚だけ試す
- 指示は具体的に:曖昧な指示はトラブルの元
専門会社に依頼する場合
- 得意分野を確認:人物?商品?建築?
- 過去実績を聞く:同じ業界の実績があるか
- テスト納品を依頼:本契約前に数枚試す
- 担当者との相性:コミュニケーションが取りやすいか
まとめ
| 比較項目 | クラウドソーシング | 専門会社 |
|---|---|---|
| 料金 | 安い | やや高い |
| 品質 | バラつき大 | 安定傾向 |
| 大量対応 | 難しい | 可能 |
| 機密性 | 注意が必要 | 契約で担保 |
| 小規模案件 | ◎ | △〜◯ |
結論:
- 小規模・低予算・試し外注 → クラウドソーシング
- 大規模・高品質・機密性重視 → 専門会社
- 迷ったら → まず少量でテストしてみる
「安いから」という理由だけでクラウドソーシングを選ぶと、修正のやりとりで時間を取られたり、結局やり直しになったりすることも。
トータルコストで考えると、最初から専門会社に頼んだ方が安くなるケースも多いということを覚えておいてください。