「Photoshopは高いから、無料ソフトで我慢するしかない」
そう思っていませんか?
実は2025年、無料の画像編集ソフトは驚くほど進化しています。特に2025年10月末、元有料ソフトのAffinity Photoが完全無料化されたことで、選択肢は大きく広がりました。
この記事では、プロのレタッチャーの視点から厳選した10本の無料画像編集ソフトを紹介します。
結論:用途別おすすめソフト
まず結論から。目的に応じて最適なソフトは異なります。
| 目的 | おすすめソフト |
|---|---|
| Photoshopの代替が欲しい | Affinity Studio / GIMP |
| RAW現像をしたい | Darktable / RawTherapee |
| 手軽に写真を補正したい | PhotoScape X / Paint.NET |
| ブラウザで完結させたい | Photopea |
| デジタルペイント中心 | Krita |
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. Affinity Studio(旧Affinity Photo)
2025年10月末に完全無料化された、元有料ソフトの本命です。
特徴
- Photoshop、Illustrator、InDesignの機能を1つに統合
- RAW現像、レタッチ、HDR合成、バッチ処理に対応
- 無制限のレイヤー、マクロ機能
- PSDファイルの読み書きに対応
無料って本当ですか?何か裏があるのでは…
Canvaに買収されたAffinity社が「フリーミアム」モデルに移行したんです。基本機能は完全無料で、AI機能だけが有料(Canva Premium:年間約15,000円)という形になりました。
こんな人におすすめ
- Photoshopから乗り換えたい人
- 買い切りソフトを探していた人
- プロレベルの機能を無料で使いたい人
AI機能(生成塗りつぶし、背景拡張など)を使うにはCanva Premiumへの加入が必要です。ただし、従来のレタッチ機能はすべて無料で使えます。
公式サイト: https://www.affinity.studio/
2. GIMP(GNU Image Manipulation Program)
オープンソース界の重鎮。20年以上の歴史を持つPhotoshop代替ソフトの定番です。
特徴
- レイヤー、マスク、フィルターなどPhotoshop同等の機能
- プラグインで機能拡張可能
- Windows / Mac / Linuxに対応
- 完全無料(広告なし)
弱点
- RAW現像は単体では不可(DarktableやRawTherapeeとの連携が必要)
- UIがやや古い(Photoshopに慣れていると戸惑う)
- 動作がやや重い場合がある
GIMPは「無料のPhotoshop」として長年愛されてきましたが、正直UIは時代遅れ感があります。ただ、機能面では今でも一級品。プラグインを入れれば、かなりのことができます。
公式サイト: https://www.gimp.org/
3. Darktable
Lightroomの無料代替として最も評価が高いRAW現像ソフトです。
特徴
- 非破壊編集(元データを変更しない)
- 60以上のプロ向けモジュール
- テザー撮影対応
- カラーマネジメント完備
- 数ヶ月ごとに大型アップデート
GIMPとの連携
Darktable + GIMP = 無料のLightroom + Photoshopという黄金コンビが完成します。
Darktableで非破壊RAW現像を行い、16bit TIFFで書き出してGIMPでレタッチ。これでプロのワークフローが無料で実現できます。
Darktableは高機能ゆえに、最初は圧倒されるかもしれません。しかし、Lightroom経験者なら比較的スムーズに移行できます。ダークテーマのUIも洗練されています。
公式サイト: https://www.darktable.org/
4. RawTherapee
RAWファイルから最大限のディテールを引き出すなら、RawTherapeeが最強です。
特徴
- 業界トップクラスのデモザイク処理
- ハイライト復元の精度が高い
- マイクロコントラスト調整
- 非破壊編集
Darktableとの違い
| 項目 | Darktable | RawTherapee |
|---|---|---|
| 写真管理 | あり | なし |
| UI | モダン | やや古い |
| RAW品質 | 高い | 最高 |
| 学習曲線 | 中程度 | やや急 |
どちらを選べばいいですか?
写真管理も含めた完全なワークフローが欲しいならDarktable、RAW現像の品質を極限まで追求したいならRawTherapeeです。両方無料なので、試してみてください。
公式サイト: https://rawtherapee.com/
5. Photopea
インストール不要、ブラウザだけで動くPhotoshop風エディタです。
特徴
- PSD、XCF、Sketch、XD、CDRなど40種類以上のフォーマット対応
- レイヤー、マスク、調整レイヤー、スマートオブジェクト対応
- ゆがみツール、パペットワープなどの高度な機能
- ファイルはローカル保存(プライバシー安全)
用途
- 出先でちょっとした編集をしたい
- ソフトをインストールしたくない
- Chromebookユーザー
無料版は広告が表示されますが、機能制限はありません。月額$5のPremium版で広告を非表示にできます。
公式サイト: https://www.photopea.com/
6. Krita
デジタルペイントに特化した、アーティスト向けの無料ソフトです。
特徴
- 100種類以上のブラシプリセット
- ブラシエンジンのカスタマイズ性が高い
- アニメーション機能
- HDR画像の編集に対応
- PSD読み書き対応
写真編集にも使える
Kritaは主にイラスト用途ですが、以下の写真編集も可能です。
- 選択ツール(なげなわ、矩形、自動選択)
- トランスフォームツール
- スポット修復
- レイヤーマスク
イラストレーターとレタッチャーを兼任している人には最高の選択肢です。ブラシの描き心地はPhotoshopを超えるという声も多いですね。
公式サイト: https://krita.org/
7. Paint.NET
Windowsユーザーにおすすめの、軽量で使いやすい画像編集ソフトです。
特徴
- シンプルで直感的なUI
- レイヤー、エフェクト、無制限アンドゥ
- マルチコアCPU最適化で高速動作
- プラグインで機能拡張可能
- Windows 10/11専用
用途
- ちょっとした写真補正
- リサイズ、トリミング
- 簡単な合成作業
Microsoft Storeで$7で購入すると自動アップデートが有効になります。機能は無料版と同じです。開発支援として購入する人も多いです。
公式サイト: https://getpaint.net/
8. PhotoScape X
初心者に最もおすすめしたい、オールインワンの画像編集ソフトです。
特徴
- 1,000以上のフィルター・エフェクト
- コラージュ、GIFアニメ作成
- バッチ編集
- RAW画像対応
- Windows / Mac対応
こんな人におすすめ
- 画像編集を始めたばかりの人
- SNS投稿用の写真を手軽に加工したい人
- 複数の写真をまとめて処理したい人
初心者でも使いやすそうですね!
PhotoScape Xは「迷ったらこれ」という一本。UIがわかりやすく、やりたいことがすぐ見つかります。無料版でも十分な機能がありますよ。
公式サイト: https://x.photoscape.org/
9. Apple Photos / Windowsフォト
見落としがちですが、OSに標準搭載されている写真アプリも侮れません。
Apple Photos(Mac/iPhone)
- 自動補正、露出・カラー調整
- レタッチツール(スポット修復)
- RAWサポート
- iCloud連携
Windowsフォト
- 基本的な補正機能
- AI背景除去
- 動画編集機能も搭載
用途
- ちょっとした明るさ補正
- トリミング、回転
- スマホで撮った写真の整理
10. Snapseed(スマホ)
最後はスマートフォン向けの最強無料アプリ、Snapseedです。
特徴
- Google製の無料アプリ(広告なし)
- 部分調整(指でなぞった部分だけ明るく/暗く)
- HDR風エフェクト
- RAW編集対応
- iOS / Android対応
スマホでここまでできるのかと驚くレベルです。出先でのクイック編集には最適。長年アップデートされていませんが、それでも競合を圧倒する使いやすさです。
公式サイト: App Store / Google Playで「Snapseed」を検索
まとめ:目的に合ったソフトを選ぼう
| ソフト | 主な用途 | 難易度 | 対応OS |
|---|---|---|---|
| Affinity Studio | プロ向け総合編集 | 中 | Win/Mac |
| GIMP | Photoshop代替 | 中〜高 | Win/Mac/Linux |
| Darktable | RAW現像・写真管理 | 中 | Win/Mac/Linux |
| RawTherapee | RAW現像特化 | 高 | Win/Mac/Linux |
| Photopea | ブラウザ編集 | 中 | ブラウザ |
| Krita | デジタルペイント | 中 | Win/Mac/Linux |
| Paint.NET | 軽量編集 | 低 | Windows |
| PhotoScape X | 初心者向け総合 | 低 | Win/Mac |
| 標準アプリ | 簡易補正 | 低 | Win/Mac |
| Snapseed | スマホ編集 | 低 | iOS/Android |
この記事のポイント:
- 2025年10月末、Affinity Photoが無料化され選択肢が大幅に増えた
- RAW現像ならDarktable、画像編集ならGIMPがオープンソースの定番
- 初心者はPhotoScape Xから始めるのがおすすめ
- 目的に合わせて複数のソフトを使い分けるのがベスト
無料ソフトでも、正しく使えばプロレベルの成果物を作ることは十分可能です。まずは気になったソフトをダウンロードして、実際に触ってみてください。