レタッチを外注しようと思ったとき、最初に迷うのが「個人(フリーランス)に頼むか、法人(会社)に頼むか」という問題です。
クラウドソーシングで安いフリーランスを探す?それとも実績のある会社に依頼する?
この記事では、それぞれのメリット・デメリットと、どんなケースにどちらが向いているかを具体的に解説します。
個人(フリーランス)に頼むメリット
料金が安い傾向
フリーランスの最大の魅力は、やはり料金の安さです。
| 依頼先 | 人物レタッチ相場(1枚) |
|---|---|
| フリーランス | 500〜3,500円 |
| レタッチ会社 | 300〜8,000円 |
会社に比べて2〜3割安いケースも珍しくありません。オフィスや社員を抱えていないため、その分を価格に反映できるからです。
柔軟な対応
フリーランスは個人で動いているため、融通が利きやすいのも特徴です。
- 急な依頼にも対応してくれることがある
- 細かい修正にも柔軟に応じてくれる
- 直接やりとりできるのでコミュニケーションが早い
じゃあ、フリーランスの方がいいってことですか?
一概にそうとは言えません。フリーランスにはデメリットもあるんです。
個人(フリーランス)に頼むデメリット
処理能力に限界がある
フリーランスは基本的に1人で作業しています。そのため、月に処理できる枚数には限界があります。
| 依頼先 | 月間処理可能枚数(目安) |
|---|---|
| フリーランス | 50〜150枚 |
| レタッチ会社 | 500〜数千枚 |
「今月300枚お願いしたい」と言っても、フリーランス1人では物理的に対応できません。
品質にバラつきがある
フリーランスは個人のスキルに依存するため、当たり外れが大きいです。
ポートフォリオは綺麗だったのに、実際に依頼したら思っていたクオリティと違った…というケースは珍しくありません。サンプルと実際の仕事でクオリティが異なることがあります。
連絡が取れなくなるリスク
フリーランスは会社のような組織的なバックアップがありません。
- 体調不良で連絡が途絶える
- 繁忙期に音信不通になる
- 突然廃業する
こうしたリスクは、ビジネスで使う場合に無視できない問題です。
法人(会社)に頼むメリット
大量の依頼に対応できる
レタッチ会社は複数のレタッチャーを抱えているため、大量の画像でも対応可能です。
- 月500枚以上の依頼もOK
- 急な増量にも対応しやすい
- 納期を守る体制が整っている
品質が安定している(場合もある)
組織としてクオリティ管理を行っている会社であれば、誰が担当しても一定の品質が保たれます。
「場合もある」っていうのは?
実は、会社によってはクオリティ管理が甘いところもあるんです。複数人で分担した結果、仕上がりがバラバラになることも。ここは後で詳しく説明しますね。
連絡が途絶えるリスクが低い
会社は組織として動いているため、担当者が病気でも別の人がカバーしてくれます。
- 連絡窓口が確保されている
- 担当者が休んでも業務は継続
- 契約関係が明確
法人(会社)に頼むデメリット
料金が高め
フリーランスに比べて、1枚あたりの単価は高くなりがちです。オフィス代、人件費、管理コストなどが価格に反映されるためです。
仕上がりがバラつくリスク
これは多くの人が見落としがちな落とし穴です。
大量の画像を依頼すると、会社内の複数のレタッチャーで分担されることがあります。その結果:
- 人によって色味やトーンが違う
- レタッチの強さが統一されない
- 同じ案件なのに仕上がりがバラバラ
100枚の人物写真をレタッチ会社に依頼したところ、3人のレタッチャーで分担されました。納品された写真を見ると、明らかに3つの異なるスタイルで仕上がっていて、結局すべてやり直しに…。
対応が事務的になりがち
会社は効率を重視するため、細かい要望への対応が難しいことがあります。
- 「ちょっとだけ修正して」が有料になる
- 担当者が変わると話が通じない
- マニュアル外の対応を嫌がる
結局どっちに頼むべき?
フリーランスが向いているケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 月50枚以下の小規模案件 | フリーランスでも対応可能 |
| SNS・ブログ用の写真 | 品質より価格を重視できる |
| 継続的に同じ人に頼みたい | スタイルの統一感を保てる |
| 予算が限られている | 単価が安い |
法人(会社)が向いているケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 月100枚以上の大量案件 | 処理能力がある |
| 芸能・広告など高品質必須 | 品質管理体制がある |
| 納期厳守が絶対条件 | 組織的なバックアップ |
| 契約関係を明確にしたい | 法人間取引の安心感 |
うーん、どっちにもメリット・デメリットがあるんですね。
そうなんです。だからこそ、「自分の案件にはどちらが合っているか」を考えることが大切です。
選ぶときのチェックポイント
1. 月間処理枚数
まず自分が月にどれくらいの枚数を依頼するか考えましょう。
- 50枚以下 → フリーランスでOK
- 50〜200枚 → どちらでも可
- 200枚以上 → 会社を検討
2. 品質の重要度
用途によって求められる品質が違います。
- SNS・Web用 → フリーランスでも十分
- 印刷物・広告 → 会社の方が安心
- 芸能・雑誌 → 専門のレタッチ会社
3. 予算
予算が限られているなら、まずフリーランスを試してみるのも手です。ただし、「安かろう悪かろう」になるリスクは理解しておくべきです。
4. リスク許容度
ビジネスで使う場合、連絡が途絶えるリスクは致命的です。リスクを取れない案件なら、会社に依頼する方が安全です。
まとめ
| 比較項目 | フリーランス | 法人 |
|---|---|---|
| 料金 | 安い | やや高い |
| 処理能力 | 限定的 | 大量対応可 |
| 品質安定 | 個人差あり | 会社による |
| リスク | 連絡途絶の可能性 | 低い |
| 柔軟性 | 高い | 低め |
結論:
- 小規模・低予算 → フリーランス
- 大規模・高品質必須 → 法人
- 迷ったら → まず少量で両方試してみる
どちらが「正解」ということはありません。自分の案件の規模、予算、品質要件に合わせて選ぶことが大切です。