Lightroom Classic 14.2がリリースされました。
今回の目玉は「アダプティブプロファイル」。HDR写真の現像が、これまでより格段に簡単になります。
派手な機能追加ではありませんが、日々の現像作業を確実に効率化してくれるアップデートです。

アップデート概要
バージョン情報
| 製品 | バージョン |
|---|---|
| Lightroom Classic | 14.2 |
| Lightroom Desktop | 8.2 |
| Lightroom Mobile | 対応版 |
主な新機能
- アダプティブプロファイル
- パフォーマンス改善
- デュアルモニター対応(Desktop版)
- 不要な要素の削除機能強化
アダプティブプロファイル
何ができるのか
写真の内容に応じて自動調整されるプロファイルです。
特にHDR写真で威力を発揮し、ハイライトとシャドウのバランスを自動で最適化してくれます。
従来のプロファイルとの違い
| 項目 | 従来のプロファイル | アダプティブ |
|---|---|---|
| 調整方式 | 固定のカーブ | 画像に応じて可変 |
| HDR対応 | 手動調整必要 | 自動最適化 |
| 設定 | 1種類 | カラー/モノクロ |
使い方
- 現像モジュールを開く
- 基本補正パネルの「プロファイル」をクリック
- 「アダプティブ」カテゴリから選択
カラー用とモノクロ用の2種類が用意されています。
具体的にどんな写真で効果がありますか?
逆光の風景写真や、明暗差の激しいシーンで特に効果的です。今まで「白飛びを抑えるとシャドウが潰れる」と悩んでいた写真が、バランスよく仕上がります。
実際に試してみた
逆光の風景写真で試してみました。
従来のプロファイル:
- 空を適正露出にすると、地面が真っ暗
- シャドウを持ち上げると、空が白飛び
- 手動で細かく調整が必要
アダプティブプロファイル:
- 適用するだけで空と地面のバランスが取れる
- 追加調整は微調整程度
- 作業時間が大幅に短縮
明暗差の激しい写真の現像時間が、体感で半分以下になりました。

HDR写真への効果
HDR対応モニターで表示する写真を現像する場合、アダプティブプロファイルは特に有効です。
従来は「SDR用」と「HDR用」で別々に調整が必要でしたが、アダプティブプロファイルなら両方で自然に見える結果が得られます。
アダプティブプロファイルの効果を最大限に発揮するには、HDR対応モニターが必要です。通常のモニターでも使えますが、効果は限定的になります。
パフォーマンス改善
操作レスポンスの向上
スライダー操作時のレスポンスが改善されました。
特に以下の作業で体感できる改善があります:
- 基本補正パネルのスライダー操作
- マスク編集時のブラシ操作
- プレビュー表示の更新
カタログ読み込みの高速化
大量の写真を含むカタログの読み込み速度が向上しています。
数万枚の写真を管理している方には、嬉しい改善でしょう。
長時間の現像作業で、少しずつモッサリしてくる現象が軽減されています。地味だけど、毎日使う身としてはありがたい。
デュアルモニター対応(Desktop版)
Lightroom Desktop限定の新機能
Lightroom Desktop(クラウド版)で、デュアルモニター環境がサポートされました。
できること:
- 一方のモニターでライブラリ表示
- もう一方のモニターで拡大プレビュー
- セカンダリウィンドウの独立操作
Lightroom Classicでは、以前からデュアルモニターに対応しています。今回の追加はDesktop版(クラウド版)のみの機能です。

不要な要素の削除機能
削除ツールの強化
不要な要素を自動検出して削除する機能が強化されました。
改善点:
- 検出精度の向上
- 処理速度の改善
- より自然な補完結果
電線除去の使い勝手
特に電線の除去機能が使いやすくなっています。
風景写真で邪魔な電線を、ワンクリックで除去できるようになりました。
ただし、複雑に交差する電線や、背景が複雑な場合は、まだ手動での修正が必要なケースがあります。
アップデート方法
Creative Cloudから更新
- Creative Cloudアプリを開く
- Lightroom Classic(またはLightroom)の「更新」をクリック
- 更新完了を待つ
注意事項
アップデート前に、カタログのバックアップを取ることをおすすめします。特にメジャーな機能追加時は、念のための対策を。
まとめ
Lightroom Classic 14.2は、アダプティブプロファイルによるHDR現像の効率化が目玉のアップデートです。
良い点:
- HDR写真の現像が劇的に簡単に
- パフォーマンス改善で操作が快適に
- 削除ツールの精度向上
改善の余地:
- HDR非対応環境では効果が限定的
- アダプティブプロファイルの種類がまだ少ない
逆光や明暗差の激しい写真を扱う機会が多い方には、非常に価値のあるアップデートです。ぜひアダプティブプロファイルを試してみてください。