「Lightroomの中でTopazの超解像が使えるようになったって本当ですか?」
本当です。2026年2月20日にリリースされたLightroom Classic 15.2で、Topazの技術を活用したGenerative Upscale(AI超解像)が内蔵されました。
それだけではありません。Adobe Fireflyとの連携、WebPフォーマット対応、集合写真のAI被写体選択改善など、実務で役立つアップデートが盛りだくさんです。
この記事では、各新機能を実務目線でレビューし、既存のスーパー解像度やTopazスタンドアロン版と比較してどれを使うべきかも解説します。
Generative Upscale(AI超解像)— 最大の目玉機能
今回のアップデートで最も注目されているのが、Topaz Gigapixel AIの技術を活用したGenerative Upscale機能です。
基本的な使い方
メニューから「写真 → Generative Upscale」を選択するだけ。2倍または4倍の拡大が可能です。
Lightroomにはすでに「スーパー解像度」がありますよね?何が違うんですか?
スーパー解像度は「ピクセル数を増やして解像度を上げる」のに対して、Generative Upscaleは「AIがディテールを生成して補完する」点が大きく違います。特にテクスチャの再現や細部の描写が段違いです。
スーパー解像度との違い
| 機能 | スーパー解像度 | Generative Upscale |
|---|---|---|
| 拡大倍率 | 2x | 2x / 4x |
| 技術 | Adobe独自 | Topaz Gigapixel AI |
| ディテール再現 | 良好 | より自然で精細 |
| 処理速度 | 速い | やや遅い |
| コスト | 無料(追加料金なし) | Generative Credits消費 |
| 設定項目 | なし | なし |
| ノイズ耐性 | 普通 | クリーンな画像に強い |
Generative Upscaleを使うたびにGenerative Creditsを消費します。Creative Cloudプランにより月間の付与数が異なるため、大量の画像を処理する場合はクレジット残量を確認しましょう。
実際の品質は?
レビュー結果を正直にまとめると、得意・不得意があります。
どんな画像でもTopaz並みの結果が出るんですか?
クリーンな(ノイズの少ない)画像では非常に良い結果が出ます。ただし、高ISO感度で撮影したノイズの多い画像では、スーパー解像度の方が良い結果になることもあります。また、スタンドアロン版のTopaz Photo AIにはある細かい調整パラメータが、Lightroom内蔵版にはありません。
- ノイズが少ない風景・建築写真 → Generative Upscale(4x)がおすすめ
- 高ISO感度のイベント・スポーツ写真 → スーパー解像度が安定
- 最高品質を追求するなら → Topaz Photo AI スタンドアロン版
Firefly連携 — 写真から動画生成まで
Lightroom Classic 15.2では、現像済みの写真をAdobe Fireflyに直接送信できるようになりました。
できること
- プロンプトベースのAI編集: テキスト指示で写真を編集
- 写真→動画変換: 静止画からショートクリップを生成
Lightroomで現像した写真が、そのままFireflyで動画になるんですか?
はい。現像設定を反映した状態でFireflyに送信されます。たとえば風景写真から雲が流れるショートクリップを生成したり、ポートレートに微細な動きを加えたりできます。SNS用のコンテンツ作成に便利です。
現時点では「SNS用のショートクリップ」や「プレゼン用の動きのある素材」が主な用途です。本格的な映像制作には向きません。
WebPフォーマット対応
長らくリクエストされていたWebP形式の読み込みにようやく対応しました。
対応範囲
- WebPファイルの読み込み(インポート): ✅ 対応
- WebPファイルの編集: ✅ 対応
- クラウド同期: ✅ 対応
- WebP形式での書き出し: ❌ 未対応
書き出しは対応してないんですか?Webで使うならWebPで書き出したいんですが。
残念ながら、今回のアップデートではまだ書き出しには対応していません。ただ、読み込みができるようになったことで、Webから取得したWebP画像をLightroomで編集するワークフローは格段に楽になります。書き出し対応は今後のアップデートに期待しましょう。
集合写真のAI被写体選択が改善
ポートレートレタッチで重要な被写体選択(Subject Selection)と視線フォーカス(Eye Focus)のAIが、集合写真向けにアップデートされました。
ウェディングフォトやイベント撮影で複数人が写っている場合、これまでは個々の被写体を正確に認識するのが難しいケースがありました。今回の改善で、集合写真でも各人物を正確に認識し、個別にマスクを適用できるようになっています。
集合写真の人物ごとに露出や肌トーンを調整するワークフローが、大幅に効率化されます。特に大人数の集合写真での精度向上が実感できるでしょう。
その他の改善
書き出しダイアログでの一括リネーム
地味ですが実用的な改善として、書き出しダイアログ内でファイルの一括リネームが可能になりました。クライアント納品時のファイル名統一が、書き出しプロセスの中で完結します。
新しいカメラ・レンズプロファイル
Canon、Sony、Sigma、各種スマートフォンの新しいカメラ・レンズプロファイルが追加されています。
Generative Upscale vs スーパー解像度 vs Topaz Photo AI — どれを使う?
最も気になるのは「結局どれを使えばいいの?」という点でしょう。
| 項目 | スーパー解像度 | Generative Upscale | Topaz Photo AI |
|---|---|---|---|
| 拡大倍率 | 2x | 2x / 4x | 2x / 4x / 6x |
| 品質 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| 細かい設定 | なし | なし | 多数あり |
| 処理速度 | 速い | やや遅い | 遅い |
| 追加コスト | なし | Generative Credits | 年額$99〜 |
| ノイズ画像 | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
| ワークフロー統合 | LR内完結 | LR内完結 | 外部アプリ |
Topaz Photo AIを別途契約しているんですが、もう不要ですか?
一概には言えません。Lightroom内蔵版は「手軽さ」が最大のメリット。でも、ノイズの多い写真やパラメータを細かく調整したい場合は、Topazスタンドアロン版の方が確実に良い結果が出ます。普段はLightroom内蔵を使い、ここぞという時にTopazを使う、という使い分けがおすすめです。
まとめ
Lightroom Classic 15.2は、特にGenerative Upscaleの搭載が大きなトピックです。
- Generative Upscale: Topaz技術のAI超解像が内蔵。クリーンな画像で高品質な2x/4x拡大
- Firefly連携: 写真→AIテキスト編集・動画変換が可能に
- WebP対応: 読み込み・編集に対応(書き出しは未対応)
- 集合写真AI: 被写体選択・視線フォーカスが集合写真で改善
- 一括リネーム: 書き出しダイアログでファイル名統一が可能に
日常的な超解像にはLightroom内蔵のGenerative Upscaleで十分。最高品質が求められる案件ではTopaz Photo AIスタンドアロン版を併用する、というワークフローがおすすめです。
大量の写真を効率的に処理したい場合は、Retouch Inkのような専門のレタッチ会社に依頼するのも選択肢の一つです。
よくある質問(記事のおさらい)
Topaz Gigapixel AIの技術を活用したGenerative Upscale(AI超解像)機能です。2倍または4倍のAI拡大が可能です。
使用するたびにGenerative Creditsを消費します。Creative Cloudプランにより月間付与数が異なるため、大量処理する場合はクレジット残量に注意が必要です。
スーパー解像度はピクセル数を増やして解像度を上げるのに対し、Generative UpscaleはAIがディテールを生成して補完します。クリーンな画像ではGenerative Upscaleの方がより自然で精細な結果が得られます。
いいえ。ノイズの多い画像や細かいパラメータ調整が必要な場合は、スタンドアロン版の方が良い結果が出ます。普段はLightroom内蔵版、ここぞという時にスタンドアロン版、という使い分けがおすすめです。
いいえ。今回のアップデートではWebPの読み込み・編集・クラウド同期に対応しましたが、WebP形式での書き出しはまだ未対応です。
現像済みの写真をFireflyに送信して、テキスト指示でのAI編集や静止画からのショートクリップ生成ができます。SNS用コンテンツ作成に便利です。
ウェディングフォトやイベント撮影で複数人が写っている場合に、個々の人物を正確に認識して個別にマスクを適用できます。人物ごとの露出・肌トーン調整が効率化されます。