Adobeの写真編集ソフト「Lightroom」。でも、よく見ると2種類あることに気づきましたか?
「Lightroom」と「Lightroom Classic」——名前は似ていますが、コンセプトも機能も全く違います。
この記事では、2つのLightroomの違いを徹底比較し、あなたに合った選び方を解説します。

2つのLightroomの基本的な違い
どうして2種類あるんですか?
簡単に言うと、Classicが「プロ向け」、Lightroomが「カジュアルユーザー向け」です。Classicは従来のLightroomの進化版、Lightroomはスマホ時代に合わせて作られた新しいソフトです。
一覧比較
| 項目 | Lightroom | Lightroom Classic |
|---|---|---|
| 保存場所 | クラウド | ローカル(PC/外付けHDD) |
| 対応デバイス | PC/スマホ/タブレット/Web | PC専用 |
| 機能 | シンプル | フル機能 |
| 対象ユーザー | 初心者〜中級者 | 中級者〜プロ |
| オフライン作業 | 制限あり | 完全対応 |
| ストレージ | 契約容量まで | 無制限 |
Lightroom(クラウド版)の特徴
クラウドで写真を管理
Lightroomは、写真をAdobeのクラウドに保存します。
- どのデバイスからでもアクセス可能
- スマホで撮影 → PCで編集 → タブレットで確認
- 端末を変えても同じライブラリ
シンプルなインターフェース
スマホやタブレットでも使いやすいように、UIがシンプルに設計されています。
初心者でも直感的に操作できます。
AIによる写真検索
クラウド版の強みは、AIを使った写真検索機能。
- 「空」「海」「人物」などキーワードで検索
- 場所や日付で絞り込み
- AIが自動でタグ付け
こんな人におすすめ
- スマホやタブレットでも編集したい
- 複数のデバイスで作業する
- 写真管理をシンプルにしたい
- 手軽に始めたい初心者
クラウド版は、契約プランのストレージ容量に制限があります。大量の写真を扱う場合は、追加容量の購入が必要になることも。
Lightroom Classicの特徴
ローカル保存で容量無制限
Classicは、写真をPCや外付けHDD/SSDに保存します。
- 容量の制限なし
- 外付けHDDに数十万枚保存可能
- インターネット不要で作業可能
フル機能の現像ツール
Classicはすべての機能が使えます。
Classicにしかない機能:
- テザー撮影(カメラと直接接続)
- 詳細なカタログ管理
- 高度なプリント設定
- プラグイン対応(Luminar Neo、DxOなど)
- より細かいパラメータ調整
プロが選ぶ理由
多くのプロカメラマンがClassicを使う理由:
- 大量の写真を管理できる — 数十万枚でもスムーズ
- 外付けHDDで無制限保存 — ストレージの心配なし
- オフラインで完結 — ネット環境に依存しない
- 細かい調整が可能 — プロのニーズに対応
- プラグイン対応 — 他社ソフトとの連携
こんな人におすすめ
- 大量の写真を管理する
- 外付けHDDで写真を保存したい
- オフラインでも作業したい
- より細かい調整がしたい
- プラグインを使いたい

機能の詳細比較
現像機能
| 機能 | Lightroom | Classic |
|---|---|---|
| 基本補正 | ○ | ○ |
| トーンカーブ | ○ | ○ |
| HSL/カラー | ○ | ○ |
| AIマスク | ○ | ○ |
| AIノイズ除去 | ○ | ○ |
| テザー撮影 | × | ○ |
| プラグイン対応 | × | ○ |
現像機能自体は、ほぼ同等です。違いは周辺機能にあります。
写真管理機能
| 機能 | Lightroom | Classic |
|---|---|---|
| フォルダ管理 | クラウド上 | ローカル |
| キーワード検索 | AI自動 | 手動設定 |
| コレクション | ○ | ○ |
| スマートコレクション | × | ○ |
| カタログ | 1つのみ | 複数可 |
| 外付けHDD管理 | × | ○ |
書き出し・連携
| 機能 | Lightroom | Classic |
|---|---|---|
| Photoshop連携 | ○ | ○ |
| 高度なプリント | × | ○ |
| FTP転送 | × | ○ |
| 外部プラグイン | × | ○ |
料金プランの違い
2025年現在、両方のLightroomは「フォトプラン」に含まれています。
フォトプラン(月額2,380円 税込)
- Lightroom(クラウド版)
- Lightroom Classic
- Photoshop
- クラウドストレージ 1TB
フォトプランなら両方使えるので、まずは両方試してみて、自分に合う方をメインにするのがおすすめです。
以前あった格安プラン
2025年初頭に「フォトプラン20GB(月額1,078円)」の新規受付が終了しました。既存ユーザーは継続利用可能ですが、新規の場合は1TBプランのみになります。
学生や教職員の方は、Creative Cloud コンプリートプランが大幅割引で利用できます。詳しくはAdobeの公式サイトを確認してください。
プロはどっちを使っている?
結論:多くのプロはLightroom Classic
理由は明確です:
- 大量の写真を扱う — 1回の撮影で数百〜数千枚
- ストレージの自由 — 外付けHDDで管理
- オフラインでも作業 — 撮影現場でも使える
- 細かい管理機能 — プロのワークフローに対応
両方使い分けるプロも
「メインはClassic、外出先はLightroom」という使い分けをするプロもいます。
- 自宅/スタジオ: Lightroom Classicでがっつり作業
- 外出先: スマホ版Lightroomで軽い作業、クライアントへの共有
レタッチャーの視点
レタッチの仕事では、Classicが圧倒的に使いやすいです。大量の写真を効率よく処理して、Photoshopに送る。この流れがスムーズにできるのはClassicだけ。

あなたに合ったLightroomの選び方
Lightroom(クラウド版)を選ぶべき人
- スマホで撮影することが多い
- 写真は趣味程度
- 複数デバイスで作業したい
- シンプルな操作がいい
- 月に数十〜数百枚程度の写真量
Lightroom Classicを選ぶべき人
- 一眼カメラで本格的に撮影
- プロカメラマンを目指している
- 大量の写真を管理する
- 外付けHDDで写真を保存したい
- 細かい調整や管理がしたい
迷ったら両方試す
フォトプランなら両方使えます。
- 両方インストール
- 2週間ずつ使ってみる
- 自分に合う方をメインに
LightroomからClassicへの移行
「Lightroomを使っていたけど、Classicに移行したい」という場合。
移行の流れ
- Lightroomの写真をローカルにダウンロード
- Lightroom Classicで新規カタログ作成
- ダウンロードした写真を読み込み
- 必要に応じて再整理
注意点
- 編集履歴は一部失われる可能性あり
- キーワードやアルバムは再設定が必要な場合も
- 大量の写真は移行に時間がかかる
LightroomとClassicを同じ写真で同期させると、混乱の元になります。基本的にはどちらか一方をメインにして、もう一方は補助的に使うのがおすすめ。
まとめ
LightroomとLightroom Classicの違いを整理します。
Lightroom(クラウド版)
- クラウド保存、マルチデバイス対応
- シンプルで直感的なUI
- 初心者〜中級者向け
- ストレージ制限あり
Lightroom Classic
- ローカル保存、PC専用
- フル機能、プラグイン対応
- 中級者〜プロ向け
- ストレージ無制限
プロを目指すなら、Lightroom Classicを使いこなせるようになりましょう。
フォトプランなら両方使えるので、最初は両方試してみて、自分のワークフローに合う方を選んでください。大量の写真を扱うようになったら、自然とClassicの便利さがわかるはずです。