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ON1 Restore AI|古い写真のAI復元機能がPhoto RAW MAXに登場。実力と限界を解説
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ON1 Restore AI|古い写真のAI復元機能がPhoto RAW MAXに登場。実力と限界を解説

2026-04-02
2026-04-02 更新

ON1 Photo RAW 2026 MAXに写真復元AI「Restore AI」が4月に追加。傷・色褪せ・白黒カラー化をワンクリックで修復し、バッチ処理にも対応。実力とAIハルシネーションの課題を解説。

古い写真の修復・復元をAIで自動化する動きが加速しています。2026年4月、RAW現像ソフトON1 Photo RAW 2026 MAXに新モジュール「Restore AI」が追加されました。

傷・色褪せ・ノイズの除去から白黒写真のカラー化まで、古い写真の修復に必要な機能をワンクリックでこなし、バッチ処理でアルバム単位の大量修復にも対応。一方で、PetaPixelのレビューではAIが写真を「ハルシネーション(幻覚)」で別物に変えてしまう問題も指摘されています。Restore AIの実力と限界を解説します。

Restore AIとは:ON1 Photo RAW MAXの新モジュール

Restore AIの概要

Restore AIは、ON1 Photo RAW 2026 MAXに追加されるクラウドAIベースの写真復元モジュールです。

基本情報

項目 内容
対応ソフト ON1 Photo RAW 2026 MAX(買い切り or サブスク)
処理方式 クラウドAI処理
利用制限 買い切り版は1年間無制限、サブスク版は契約期間中無制限
バッチ処理 対応(複数写真の一括復元)
カラー化 白黒写真のカラー化に対応
佐藤(AIツール・ワークフロー担当)
佐藤(AIツール・ワークフロー担当)

重要なのは、Restore AIがON1 Photo RAW MAXの追加モジュールとして提供される点です。通常版のPhoto RAWには含まれません。既存のMAXユーザーは無料アップデートで利用可能、通常版ユーザーはMAXへのアップグレードが必要です。

Restore AIでできること:5つの修復機能

修復機能の詳細

Restore AIは写真を分析し、損傷の種類を自動判別した上で最適な修復を行います。

1. 傷・折り目・破れの修復

紙の写真にありがちな傷、折り目、破れをAIが自動検出し、周囲のテクスチャから自然に補修します。軽度な傷であれば手作業と遜色ない仕上がりが期待できます。

2. 色褪せの復元

経年劣化で退色した写真の色彩を、AIが元の色味を推測して復元します。セピア調に褪せた写真が鮮やかな色彩を取り戻します。

3. ノイズ・粒状感の除去

フィルム写真特有の粒状ノイズやスキャン時のノイズを低減。細部を保ちながらノイズだけを除去するAI処理が適用されます。

4. ディテールの復元・リフォーカス

ぼやけた写真のピントをAIが再構成し、失われた細部を復元します。低解像度の写真のアップスケールにも対応しています。

5. 白黒写真のカラー化

白黒写真に自然な色彩を自動で付与します。肌の色、空の青さ、植物の緑など、AIが学習データに基づいて色を推測します。

ポイント

これらの修復処理はすべてワンクリックで実行可能です。個別の項目をオン・オフすることもでき、カラー化だけを適用しないといった使い分けもできます。

バッチ処理:アルバムまるごと復元

バッチ処理

Restore AIの大きな差別化ポイントがバッチ処理(一括処理)への対応です。

押入れから出てきた古いアルバムをスキャナーで取り込んだ後、数十〜数百枚の写真をまとめてRestore AIに通すことができます。1枚ずつ手作業で修復する必要がないため、大量のアーカイブ作業が劇的に効率化されます。

読者
読者

おばあちゃんのアルバムが何冊もあるので、まとめて処理できるのは嬉しいです。

佐藤
佐藤

そうですね。ただし、バッチ処理はあくまで「一律の自動処理」なので、1枚ずつの品質チェックは必要です。大切な写真は自動処理の結果を確認してから保存することをおすすめします。

課題:AIハルシネーションの問題

AIハルシネーション問題

2026年3月25日、写真メディアPetaPixelは「ON1 Restore AIが古い家族写真をグロテスクな悪夢に変えている」と題した記事を掲載し、AIハルシネーション(幻覚)の問題を指摘しました。

具体的な問題点

  • 顔の変形 — 人物の顔が元の写真とまったく異なる形に再構成されるケース
  • ディテールの捏造 — 存在しない模様やテクスチャがAIによって生成される
  • 色の不正確さ — カラー化の色が実際とかけ離れている場合がある

ON1はこの問題を認識しており、AIモデルの再調整を行っていると表明しています。4月の正式リリースまでに改善される見込みですが、現時点ではすべての写真で完璧な結果が得られるわけではありません。

注意

AIによる写真復元は「推測」に基づく処理です。特に顔の細部は、AIが学習データから「それらしい顔」を生成するため、故人の遺影など正確性が求められる写真では、プロのレタッチャーによる手作業の方が適切です。

佐藤
佐藤

AI復元ツールは「大量の写真を効率よくざっくり修復する」用途には非常に便利です。しかし、大切な1枚を正確に復元したい場合は、AIの結果をベースにプロが手作業で仕上げるハイブリッドアプローチが最善です。

ライセンスと価格

ライセンス情報

Restore AIの利用に必要なON1 Photo RAW 2026 MAXの価格体系は以下の通りです。

プラン 価格 Restore AI利用
Photo RAW 2026 MAX(買い切り) $149.99 1年間無制限。翌年以降はメジャーアップグレードで更新
Photo RAW MAX(サブスク) $179.99/年 契約期間中無制限
Photo Studio(サブスク) $299.99/年 契約期間中無制限。全モジュール含む
通常版 → MAXアップグレード $79.99 既存ユーザー向け
ポイント

買い切り版のMAXユーザーは、追加費用なしの無料アップデートでRestore AIが利用可能です。すでにON1 Photo RAW 2026 MAXを持っている方は、ソフトをアップデートするだけで使えます。

他のAI写真復元ツールとの比較

Restore AI以外にも、AI写真復元ツールは複数存在します。

ツール 価格 カラー化 バッチ処理 特徴
ON1 Restore AI MAXに含む RAW現像と一体化
Photoshop Elements Restore Photo $99.99 × × 買い切り。操作が簡単
Remini 無料〜$9.99/月 モバイル向け。手軽
MyHeritage Photo Enhancer サブスク 家系図サービスと連携

ON1 Restore AIの最大の強みは、RAW現像ソフトの中に復元機能が統合されている点です。スキャンした写真をPhoto RAWで読み込み、復元 → 色調補正 → エクスポートまでワンストップで完結します。

まとめ

  • ON1 Photo RAW 2026 MAXに写真復元AI「Restore AI」が4月に追加
  • 傷・色褪せ・ノイズ除去・リフォーカス・白黒カラー化をワンクリックで実行
  • バッチ処理対応でアルバム単位の大量修復が可能
  • PetaPixelがAIハルシネーション問題を指摘。ON1はAIモデル再調整中
  • 大切な1枚はAIの結果+プロの手作業のハイブリッドアプローチが最善

写真の修復・カラー化でプロの仕上がりが必要な方は、Retouch Inkにご相談ください。AIベースの効率化とプロのレタッチャーによる品質保証の両方を提供しています。

Q
ON1 Restore AIは無料で使えますか?
A

単体では無料では使えません。ON1 Photo RAW 2026 MAXのライセンス(買い切り$149.99またはサブスク$179.99/年)が必要です。すでにMAXを持っている方は無料アップデートで利用可能です。

Q
AIハルシネーションの問題はどの程度深刻ですか?
A

PetaPixelの報告によると、一部の写真で顔が元と異なる形に再構成されるなどの問題が確認されています。ON1はAIモデルの再調整を行っており、正式リリースまでに改善される見込みです。結果は必ず確認し、不自然な箇所があれば手動で修正することをおすすめします。

Q
バッチ処理で何枚まで一度に処理できますか?
A

ON1は枚数の上限を明示していませんが、クラウドAI処理のため、一度に大量の写真を送信すると処理時間がかかります。数十枚単位で処理するのが現実的です。買い切り版は1年間、サブスク版は契約期間中、処理回数は無制限です。

Q
Retouch Inkの写真復元サービスとの違いは何ですか?
A

ON1 Restore AIは自動処理のため効率的ですが、AIの推測による不正確さが生じる場合があります。Retouch Inkでは、AIの自動処理をベースにプロのレタッチャーが手動で色補正・細部調整を行うため、歴史的に正確な色の再現や故人の遺影など、精度が求められる写真に適しています。

Tags

ON1 AI復元 写真修復 Photo RAW カラー化
佐藤 この記事の筆者

佐藤

Retouch Info

情報系の大学卒業後、IT企業でシステムエンジニアとして3年勤務。趣味で始めた写真編集にのめり込みレタッチャーに転身。現在はRetouch Inkにてワークフロー効率化やAIツール導入を推進。

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