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Photoshopアクションとは?作業効率を10倍にする自動化テクニック
ツール・テクニック

Photoshopアクションとは?作業効率を10倍にする自動化テクニック

「毎回同じ作業を繰り返すのが面倒」——そんな悩みを一瞬で解決するのがPhotoshopのアクション機能。一度覚えれば作業効率が劇的に変わります。プロが実践する活用法を徹底解説。

100枚の写真に同じ処理を施す。毎回同じサイズにリサイズして保存する。——こうした繰り返し作業に、どれだけの時間を費やしていますか?

Photoshopの「アクション」機能を使えば、数十回の操作をワンクリックで実行できます。プロのレタッチャーが必ず使いこなしている、最強の時短機能です。

ブダペストの夜景

アクションとは何か

読者
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アクションって、具体的に何ができる機能なんですか?

レタッチャー
レタッチャー

簡単に言うと「操作の録画機能」です。自分がPhotoshopで行った操作を記録して、いつでも再生できる。同じ作業を二度と手動でやる必要がなくなります。

アクションの仕組み

アクションは、Photoshop上で行った操作を「ステップ」として記録します。

  1. 記録開始ボタンを押す
  2. 実際に操作を行う(リサイズ、フィルター適用、保存など)
  3. 記録停止ボタンを押す
  4. 次からはワンクリックで同じ操作が再現される

録画した操作は「アクションパネル」に保存され、いつでも呼び出せます。

アクションでできること

操作の種類 具体例
画像調整 明るさ・コントラスト、色相・彩度、トーンカーブ
サイズ変更 リサイズ、トリミング、カンバスサイズ変更
フィルター シャープ、ぼかし、ノイズ除去
レイヤー操作 レイヤー作成、複製、ブレンドモード変更
ファイル操作 別名保存、書き出し、形式変換
アクションの限界

アクションは「決まった操作」を記録するもの。画像ごとに判断が必要な作業(肌のレタッチ、切り抜きなど)は自動化できません。「全画像に同じ処理を施す」場面で真価を発揮します。

アクションの作り方

実際にアクションを作成してみましょう。ここでは「Web用に画像をリサイズして保存する」アクションを例に解説します。

Step 1: アクションパネルを開く

メニューウィンドウアクション(またはAlt+F9 / Option+F9)

アクションパネルが表示されます。デフォルトでいくつかのアクションがプリセットされていますが、自分用のアクションを作ることが重要です。

Step 2: 新規セットを作成

アクションパネル下部のフォルダアイコンをクリックして、新規セット(フォルダ)を作成します。

  • セット名:「レタッチ用」「Web書き出し」など、わかりやすい名前をつける
  • 複数のアクションを整理するためのグループ

Step 3: 新規アクションを作成

フォルダアイコンの隣にある「+」ボタンをクリック。

設定項目 説明
アクション名 「Web用リサイズ_1200px」など具体的に
セット 作成したセットを選択
ファンクションキー F2〜F12を割り当て可能(任意)
カラー パネル上での識別用(任意)

「記録」をクリックすると、この瞬間から全ての操作が記録されます

Step 4: 操作を実行する

記録中に、実際の操作を行います。

  1. イメージ画像解像度 → 幅を1200pxに設定
  2. フィルターシャープアンシャープマスク → 適用
  3. ファイル書き出しWeb用に保存

操作するたびに、アクションパネルにステップが追加されていきます。

Step 5: 記録を停止

アクションパネル下部の「■」(停止)ボタンをクリック。

これでアクションが完成です。次からは、このアクションを選択して「▶」(再生)ボタンを押すだけで、同じ操作が自動実行されます。

街並みの風景

プロが使うアクションの実例

レタッチの現場では、どんなアクションが使われているのでしょうか。実際に業務で活用されているアクションを紹介します。

1. 周波数分離セットアップ

肌レタッチの定番テクニック「周波数分離」の準備は、毎回同じ手順です。

アクションの内容:

  1. 背景レイヤーを2回複製
  2. 下のレイヤーに「ぼかし(ガウス)」適用
  3. 上のレイヤーに「画像操作」で差分を作成
  4. ブレンドモードを「リニアライト」に変更
  5. グループにまとめる

手動でやると2分かかる作業が、アクションなら3秒です。

2. 覆い焼き・焼き込みレイヤー作成

ドッジ&バーンの準備も定番のアクション化対象。

アクションの内容:

  1. 新規レイヤーを作成
  2. 50%グレーで塗りつぶし
  3. ブレンドモードを「ソフトライト」に変更
  4. レイヤー名を「Dodge & Burn」に変更

3. 色確認用レイヤー

レタッチ中に色被りや明暗のバランスを確認するためのレイヤー。

アクションの内容:

  1. 新規調整レイヤー「白黒」を作成(モノクロで明暗確認)
  2. 新規調整レイヤー「色相・彩度」で彩度を+100(色被り確認)
  3. グループにまとめて非表示に

確認したいときだけグループを表示すれば、すぐにチェックできます。

プロのアクションは単純作業の集合体

派手な加工を一発で適用するアクションより、「地味だけど毎回やる作業」をアクション化する方が実用的です。周波数分離やドッジ&バーンのセットアップは、その典型例。

バッチ処理:大量の画像を一括処理

アクションの真価が発揮されるのが「バッチ処理」との組み合わせです。100枚の画像に同じアクションを自動適用できます。

バッチ処理の手順

ファイル自動処理バッチ

設定項目 内容
セット 使用するアクションのセット
アクション 実行するアクション
ソース フォルダー(処理する画像が入ったフォルダを指定)
実行後 フォルダー(保存先を指定)または「保存して閉じる」

「OK」をクリックすると、指定フォルダ内の全画像に対してアクションが自動実行されます。

バッチ処理の注意点

「開く」と「保存」の処理

アクション内に「ファイルを開く」「保存」の操作が含まれている場合、バッチ設定で「"開く"コマンドを無視」「"別名で保存"コマンドを無視」にチェックを入れないと、意図通りに動作しません。

実践例:撮影データの一括処理

撮影後のルーティン作業をバッチ化した例:

  1. RAW現像後のTIFFファイルをフォルダに保存
  2. アクションを作成
    • 長辺2000pxにリサイズ
    • アンシャープマスク適用
    • JPEGで別フォルダに保存
  3. バッチ処理で一括実行

200枚の画像でも、放置しておけば自動で完了します。

美しい建築

ファンクションキーで瞬時に呼び出す

よく使うアクションは、ファンクションキー(F1〜F12)に割り当てておくと便利です。

設定方法

  1. アクションパネルでアクションをダブルクリック
  2. 「ファンクションキー」で希望のキーを選択
  3. Shift、Ctrl/Cmdとの組み合わせも可能

おすすめの割り当て例

キー アクション
F2 周波数分離セットアップ
F3 ドッジ&バーンレイヤー作成
F4 色確認レイヤー作成
F5 Web用書き出し
Shift+F2 レイヤーを統合して複製
レタッチャー
レタッチャー

キーボードに手を置いたまま、マウスを動かさずにアクションを実行できる。これだけで作業スピードが全然違います。

アクションのエクスポートと共有

作成したアクションは、他のPCやチームメンバーと共有できます。

エクスポート方法

  1. アクションパネルで、エクスポートしたいセットを選択
  2. パネルメニュー(≡)から「アクションを保存」
  3. .atn形式で保存される

インポート方法

  1. アクションパネルメニューから「アクションを読み込み」
  2. .atnファイルを選択
  3. アクションパネルにセットが追加される

無料アクションの入手先

ネット上には多くの無料アクションが公開されています。

  • Adobe公式 — Photoshopに標準搭載のアクション
  • Photoshop関連ブログ — レタッチ用、写真加工用など多数
  • 海外サイト — 「Free Photoshop Actions」で検索
外部アクションの注意点

ダウンロードしたアクションをそのまま使うより、一度中身を確認して、自分のワークフローに合わせてカスタマイズすることをおすすめします。不要なステップを削除したり、設定値を調整したり。

アクションを編集・カスタマイズする

一度作成したアクションは、後から編集できます。

ステップの削除

不要なステップをアクションパネルでドラッグ → ゴミ箱アイコンにドロップ

ステップの追加

  1. 追加したい位置の直前のステップを選択
  2. 記録ボタンを押して操作を実行
  3. 停止ボタンを押す

ダイアログ表示の設定

ステップの左側にあるアイコンをクリックすると、そのステップ実行時にダイアログを表示できます。

例:リサイズアクションで、毎回サイズを手入力したい場合に便利。

よくあるトラブルと解決法

アクションが途中で止まる

原因: 記録時と再生時で、レイヤー構造やファイル形式が異なる

解決策: アクションの前提条件を明確にする。「背景レイヤーが1枚の状態から開始」など。

保存先がおかしい

原因: アクション記録時の保存パスがハードコードされている

解決策: バッチ処理の「"別名で保存"コマンドを無視」にチェック

色がおかしくなる

原因: カラーモードの違い(RGB/CMYK)

解決策: アクションの最初に「モード → RGB」を追加

まとめ

Photoshopのアクションは、繰り返し作業を自動化する最強の機能です。

  • アクションとは — 操作を記録して、ワンクリックで再生できる機能
  • 作り方 — 記録開始 → 操作実行 → 記録停止
  • バッチ処理 — 大量の画像に同じアクションを一括適用
  • ファンクションキー — よく使うアクションを瞬時に呼び出し

「同じ作業を二度やらない」——これがプロの鉄則です。

最初は「アクション作る時間がもったいない」と思うかもしれません。でも、その作業を今後何百回もやることを考えれば、5分かけてアクションを作る価値は十分にあります。

まずは簡単なリサイズアクションから始めて、徐々に自分だけのアクションライブラリを構築していきましょう。

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