「Photoshopは使いたいけど、月額のサブスクはちょっと…」と感じている方は多いのではないでしょうか。AdobeのPhotoshopには、実は買い切り型の選択肢があります。それがPhotoshop Elements 2026です。
2025年10月にリリースされた最新版では、AI生成オブジェクトの挿入や古い写真のAI復元など、生成AI機能が大幅に強化されました。価格は$99.99(約15,000円)の一括払い。月額は一切かかりません。この記事では、Photoshop Elements 2026でどこまでの写真編集ができるのかを検証します。
Photoshop Elementsとは:Photoshopとの違い

まず、Photoshop Elements(以下PSE)とPhotoshop(フルバージョン)の違いを整理しておきましょう。
| 項目 | Photoshop Elements 2026 | Photoshop(CC) |
|---|---|---|
| 価格 | $99.99(買い切り) | 月額2,728円〜 |
| AI機能 | Insert Object、Restore Photo等 | 生成塗りつぶし、生成拡張等 |
| 生成AIクレジット | 月25回 | 月1,000回(プラン次第) |
| レイヤー・マスク | 基本対応 | 完全対応 |
| Camera RAW | 簡易版 | フル機能 |
| CMYK | 非対応 | 対応 |
| アクション・バッチ処理 | 非対応 | 対応 |
| 想定ユーザー | 趣味・家庭・ライト業務 | プロ・ヘビーユーザー |
PSEは「Photoshopの機能を厳選して初心者にも使いやすくしたもの」と考えてください。プロの商業レタッチには機能が不足しますが、家族写真の編集や年賀状作成、SNS用の画像加工には十分すぎる性能を持っています。
新機能1:Insert Object — AIで写真にオブジェクトを追加

PSE 2026の目玉機能がInsert Objectです。ブラシで範囲を指定し、テキストで「何を追加したいか」を入力するだけで、AIがオブジェクトを生成して写真に挿入します。
使い方
- 写真を開き、Insert Objectツールを選択
- オブジェクトを配置したい領域をブラシで塗る
- テキストプロンプトで追加したいものを記述(例:「赤い風船」「白い犬」)
- AIが生成したオブジェクトが写真に自然に合成される
Photoshop CCの「生成塗りつぶし」と同じ機能ですか?
原理は同じですが、Photoshop CCの生成塗りつぶしの方が精度・柔軟性ともに上です。PSEのInsert Objectは操作がよりシンプルで、初心者でも直感的に使える設計になっています。ただし生成クレジットが月25回に制限されている点が大きな違いです。
Insert Objectの各操作で生成AIクレジットを1回消費します。月25回の上限に達すると翌月まで待つ必要があるため、生成AIを頻繁に使う方にはPhotoshop CCのサブスクの方がコスパが良い場合もあります。
新機能2:Restore Photo — 古い写真をAIで修復

Restore Photoは、傷や色褪せのある古い写真をAIが自動で修復する機能です。
修復できる内容
- 傷・折り目の除去 — 紙の写真に入った傷や折り目をAIが自動検出・修復
- 色褪せの復元 — 退色した写真の色彩を推測して復元
- ノイズ除去 — 古い写真特有の粒状ノイズを軽減
- 解像度の向上 — AI超解像で小さな写真を拡大しても細部を保つ
ワンクリックで古い写真が見違えるほど鮮明になるのは、PSE 2026の大きな魅力です。遺影や家族の古い写真を修復したい方にとって、$99.99で手に入る機能としてはかなりのコストパフォーマンスです。
プロのレタッチャーが手作業で行う写真修復には及びませんが、軽度な傷や色褪せであればRestore Photoで十分な仕上がりが得られます。本格的な修復が必要な場合は、Retouch Inkにご相談ください。
新機能3:改良されたRemoveツール

PSE 2026ではRemoveツールも大幅に改良されました。AIが写真内の人物を自動検出し、背景の不要な人物をワンクリックで除去できます。
従来版との違い
| 項目 | PSE 2025 | PSE 2026 |
|---|---|---|
| 人物の自動検出 | なし | あり |
| 背景の再構成精度 | 中程度 | 大幅向上 |
| 複数人物の一括除去 | 不可 | 可能 |
| 操作方法 | 手動でブラシ選択 | 検出された人物をクリック |
観光地で撮った写真の背景に写り込んだ通行人を消したい、といった場面で重宝します。
その他の改善点

UIの改善
- ビジュアルツールチップ — ツールの使い方をアニメーションで表示。初心者の学習コストが大幅に低下
- コンテキストツールバー — 操作中の作業に応じてツールバーが自動で変化
- モダンなクロップハンドル — トリミング操作のUIが刷新
QRコード写真取り込み
スマートフォンのカメラでQRコードを読み取るだけで、モバイルで撮影した写真をPSEに直接取り込めるようになりました。ケーブル接続やクラウド同期が不要です。
Adobe Expressテンプレート
PSE 2026からAdobe Expressの無料テンプレートに直接アクセスできます。SNS用の画像、招待状、ポスターなどのテンプレートを使って、デザイン知識がなくても見栄えの良い画像が作成可能です。
Google DriveやOneDriveからの写真の直接インポートにも対応しました。クラウドストレージに写真を保存している方にとって、ワークフローが大幅に効率化されます。
こんな人におすすめ / おすすめしない
- サブスク不要で$99.99の買い切り。追加費用なし
- AI機能(Insert Object、Restore Photo、Remove)が充実
- 初心者向けのUI設計。ビジュアルツールチップで学びやすい
- 古い写真の修復・復元用途には十分な性能
- Adobe Expressテンプレートでデザイン作成も可能
- 生成AIクレジットが月25回の制限あり
- Camera RAWは簡易版。本格的なRAW現像には不向き
- CMYK非対応。印刷用途にはPhotoshop CCが必要
- アクション・バッチ処理がないため大量の写真処理には不向き
- レイヤースタイルや高度なマスク機能が限定的
「年に数回しか写真編集しないけど、ちゃんとした写真編集ソフトが欲しい」という方にはPSEが最適解です。逆に、毎日のように写真編集をする方や、RAW現像から最終出力まで一貫して作業する方は、Photoshop CCのサブスクの方が結果的にコスパが良くなります。
まとめ
- Photoshop Elements 2026は$99.99の買い切りでAI編集機能を搭載
- Insert ObjectでAI生成オブジェクトを写真に挿入。月25回の生成クレジット付き
- Restore Photoで傷や色褪せのある古い写真をワンクリック修復
- Removeツールが改良され、背景の人物を自動検出・ワンクリック除去
- サブスクに抵抗がある方の有力な選択肢。ただしヘビーユーザーにはPhotoshop CCが適切
単体で$99.99(約15,000円)の買い切りです。Premiere Elementsとのバンドルは$149.99です。月額のサブスクリプション料金は一切かかりません。
Insert Objectを頻繁に使わなければ十分です。Restore PhotoやRemoveツールなどの機能は生成AIクレジットを消費しないものも多いため、月25回で足りなくなるのはInsert Objectを集中的に使う場合に限られます。
簡易版のCamera RAWが搭載されており、基本的なRAW現像は可能です。ただしPhotoshop CCやLightroomの完全版に比べると機能が限定的で、レンズ補正やマスクを使った部分調整などは制限があります。本格的なRAW現像にはLightroomの併用をおすすめします。
軽度な傷や色褪せであればRestore Photo機能で十分な仕上がりが得られます。深刻な損傷や精密なカラー化が必要な場合は、プロのレタッチャーによる手作業の方が高品質な結果が得られます。ご相談はRetouch Inkまで。