Lightroom Classic 15.3が2026年4月16日にリリースされました。
今回のアップデートで最も注目すべきは、AIデノイズと超解像がバックグラウンドで処理できるようになったこと。大量の写真をバッチ処理する場面で、ワークフローが大きく改善されます。
その他にも、フィルム風の新プリセット、Firefly Moodboard連携、PSBファイル対応など、実用的な機能が追加されています。
AIデノイズのバックグラウンド処理が解禁
今回のアップデートで最もインパクトが大きいのが、AIデノイズ(Denoise)・Raw Details・超解像(Super Resolution)のバックグラウンド処理対応です。
これまでのデノイズって、処理中はLightroomが使えなくなるのが地味にストレスだったんですよね…。
まさにそこが改善されました。これまではAIデノイズを実行するとダイアログが表示されて、処理が終わるまでLightroomが完全にロックされていたんです。1枚なら数十秒ですが、バッチ処理では数十分の待ち時間が発生していました。
15.3では、AIデノイズや超解像の処理がバックグラウンドで実行されるようになり、処理中も他の写真の編集を続けられます。
何が変わったのか
| 項目 | 15.2まで | 15.3以降 |
|---|---|---|
| AIデノイズ中の操作 | ダイアログが表示され操作不能 | バックグラウンド処理、操作可能 |
| バッチ適用時 | 手動で「AI設定を更新」が必要 | 自動で更新 |
| 超解像(Super Resolution) | 同様にロックされる | バックグラウンド処理に対応 |
| Raw Details | 同上 | 同上 |
実際のワークフロー改善
例えば、高感度で撮影した100枚の写真にAIデノイズを適用するケースを考えてみましょう。
ライブラリまたは現像モジュールで、デノイズを適用したい写真を複数選択します。
設定をコピー&ペースト、または同期機能でデノイズ設定をバッチ適用します。
処理はバックグラウンドで進行。待ち時間なく、次の写真のセレクトや現像作業を進められます。
大量の人物写真を扱うレタッチ業務では、撮影後のセレクト→デノイズ→現像→Photoshopでの仕上げ、という流れが一般的です。デノイズのバックグラウンド処理により、この一連の作業がスムーズに進むようになります。
フィルム風プリセット12種が追加
新たに「Style: Film-Inspired」というカテゴリで、12種類のフィルム風プリセットとプロファイルが追加されました。
フィルム系のプリセットって、Kodachrome風とかPortra風とか、特定のフィルムを再現するものが多いイメージですが…。
今回のプリセットは特定のフィルムストックを再現するものではなく、フィルム写真の持つトーンや空気感を広く表現するアプローチです。「Warm Gold」「Deep Sage」「Faded Blue」といった名前で、色調の方向性が直感的にわかるようになっています。
プリセットの特徴
- 特定のフィルムストックの再現ではなく、フィルム的なトーンと質感を表現
- 「Warm Gold」「Light Sage」「Bold Black and White」など、色調がわかりやすいネーミング
- プリセットパネルの「Style: Film-Inspired」グループからアクセス
- プロファイルブラウザからも同名のプロファイルとして利用可能
これらのプリセットはベースとして適用し、そこから微調整するのが効果的です。プリセットの作り方を参考に、自分好みにカスタマイズしたバリエーションを保存しておくと、現像の効率がさらに上がります。
Firefly Moodboard連携
Lightroom ClassicからAdobe FireflyのMoodboard(ムードボード)機能に直接写真を送れるようになりました。
使い方
- 写真を選択(最大10枚)
- ファイル → Generate Using Firefly → Start a mood boardを選択(右クリックメニューからも可)
- ブラウザでFirefly Boardが開き、写真が読み込まれる
Moodboardではインスピレーション画像の収集やメモの追加、AIによる編集の実験が可能です。Lightroom上の写真には影響しないため、アイデアを自由に試せる安全な場所として活用できます。
PSBファイルのサポート
Photoshopの大容量ファイル形式であるPSB(Photoshop Big)が正式にサポートされました。
通常のPSDファイルは最大2GBまでですが、PSBは最大4EB(エクサバイト)まで対応。高解像度のパノラマやコンポジット作品など、大容量ファイルを扱うケースで重要な改善です。
また、「Photoshopで編集」機能にも新しいオプションが追加され、環境設定 → Photoshopで編集から、SDR/HDRファイルの処理方法をカスタマイズできるようになりました。
AIカリング(Assisted Culling)の精度向上
Lightroom ClassicのAIカリング機能も改善されています。
特に被写界深度の浅い写真での精度が向上。ボケを活かしたポートレートや、開放で撮影したカットで、被写体のピント面だけを正確に評価できるようになりました。
これまでは背景ボケが大きい写真が「ピンボケ」と誤判定されるケースがありましたが、15.3ではSubject Focusスコアの算出ロジックが改善されています。
新規カメラ・レンズサポート
Camera Raw 18.3に合わせて、新しいカメラとレンズのサポートが追加されています。
| カテゴリ | 対応内容 |
|---|---|
| Sony A7V | 圧縮RAW・圧縮HQ RAWに新規対応 |
| レンズプロファイル | 各社の新レンズに順次対応 |
Sony A7Vは従来の非圧縮RAWに加えて、圧縮・圧縮HQフォーマットもサポートされました。ファイルサイズが小さくなるため、大量撮影時のストレージ効率が改善されます。
まとめ
Lightroom Classic 15.3の主な変更点をまとめます。
- AIデノイズのバックグラウンド処理 — バッチ処理中も作業が止まらない。最大の改善点
- フィルム風プリセット12種追加 — Film-Inspiredカテゴリで即使える
- Firefly Moodboard連携 — 撮影計画やアイデア出しに
- PSBファイルサポート — 大容量ファイルの取り扱いが改善
- AIカリングの精度向上 — ボケ写真の誤判定が減少
- Sony A7V圧縮RAW対応 — ストレージ効率が向上
地味ではありますが、AIデノイズのバックグラウンド処理は日常的なワークフローを確実に効率化する実用的なアップデートです。大量の高感度写真を処理するフォトグラファーやレタッチャーにとっては、待望の機能改善といえるでしょう。
よくある質問(記事のおさらい)
AIデノイズ・超解像・Raw Detailsのバックグラウンド処理対応です。処理中もLightroomの操作を続けられるようになり、バッチ処理時の待ち時間がなくなりました。
プリセットパネルの「Style: Film-Inspired」グループに12種類のプリセットが追加されています。プロファイルブラウザからも同名のプロファイルとして利用できます。
被写界深度の浅い写真での精度が向上しました。ボケを活かしたポートレートが「ピンボケ」と誤判定されるケースが減っています。
Photoshopの大容量ファイル形式で、通常のPSD(最大2GB)を超えるファイルを扱えます。高解像度パノラマやコンポジット作品で必要になることがあります。
Creative Cloudアプリからアップデートできます。Lightroom Classic 15.3、Camera Raw 18.3が同時にリリースされています。